短編集
香崎 莉愛
ねぇ、私のこと好き?
「ねぇ、私のこと好き?」
俺は、さっき入れてくれたコーヒーを飲んでいた。そんなとき、彼女が唐突にそう聞いてきたのだ。
「あぁ、好きだよ。」
俺はいつも通りにそういった。
彼女はそれでも不安なのか、また違う質問をする。
「私とずっと一緒にいてくれる?」
「あぁ、ずっと一緒だよ。」
俺は素っ気なくそういった。
「そっか、なら、よかった。」
彼女は嬉しそうにそういった。
そして、そんな彼女の笑顔をみた瞬間、唐突に眠気が襲ってきた。
「大丈夫。私もすぐ逝くからね。」
耳元でそんな声が聞こえて俺は瞼を閉じた。
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