第11話 後始末の序章3
アマミ
<今何時だと思ってんだよ!?深夜3時近いぞこらああ>
リリィ
「すいまんせん……しかし緊急でお願いしなければならないことが…」
リリィがおどおど話している横からドラフが魔法陣に向かって話しかける。
ドラフ
「アマミ君」
アマミ
<んん!?……その声は…ドラフ?>
ドラフ
「面白いサンプルを手に入れたから、今物を送った」
アマミ
<面白いサンプル…?>
ドラフ
「魔女粒子」
アマミ
<は?>
ドラフ
「かもしれない粒子を送ったよ」
アマミ
<へえ……そいつは面白そうだ…ちょっと待ってな>
魔法陣越しにごそごそ音が聞こえる。
<もしもし?こいつはどこで計測したんだい!?>
ドラフ
「魔物の腹の中」
アマミ
<魔物お!?ドラフ今どこにいるんだよ?>
ドラフ
「今ペルー村へきている……大火災とのことで緊急で来たんだが、どうやらこの村で強力な魔法が使われたようなんだ」
アマミ
<おうおう大変だね…いまだに研究職が現場検証行ってるんかい……全く国の奴らは頭がおかしい>
ドラフ
「でもそのおかげでこの数値と巡り合えた……!」
今のドラフの顔は喜びに満ちていた…何か面白いものを見つけたような興奮に近い感情が垣間見えた。
アマミ
<これ計り間違いとかない?>
ドラフ
「ない」
アマミ
<あっそ>
ドラフ
「今日中に結果出せるか?」
アマミ
<お前……こんな深夜にいきなり起こしやがって今日中とかふざけてんのか?このやろおお!!
……って言いたいところだが…これなら今すぐ調べてやるよ…ちょっと興味がわいてきた……>
ドラフ
「頼んだ」
魔法陣は消滅した。
ドラフ
「ふう……やれやれ周りを見渡せばほとんどの人間が戦って死んだというより
襲われて死んだような倒れ方してるねえ……」
ドラフはその場でコーヒーカップとコーヒーの入ったポットを出現させる。
そしてコーヒーカップにコーヒーを注いでいく。
ドラフ
「これは後始末の処理に時間がかかりそうだ」
地獄絵図のような景色の中、ドラフはゆったりとコーヒーを飲みながら村の様子を窺っていた…。
ブツンッ!
突然、水晶の映像が途切れた……。
マベル
「ふわ……もう寝ようか……これ以上進展なさそうだし……」
魔女マベルはあくびをしながら、杖から大きな雲を作り出した。
「今日はこの夜空で寝ようか」
魔女マベルは大きな雲の上に乗り、さらに小さい雲を杖から生み出した。
彼女は小さい雲を枕にして横たわった。
トランヴェル
(この雲はベッドか……便利だな)
マベル
「おいでトランヴェル」
彼女は雲のベッドをポンポン叩いて、私に合図を出す。
トランヴェル
(……)
私はいつもなら木の上で睡眠をとるのだが…
今日は彼女と一緒の寝床で寝なければならないようだ。
私はマベルの合図に従い彼女の隣に寝そべった。
マベル
「今日は楽しかったね~…トランヴェル……」
彼女が耳元で呟く。
「明日はどんな展開になるかな…楽しみだねぇ………
あ…明日こそ魔女会に行かなきゃ…」
だんだん彼女の声が小さくなっていく……。
「おやすみ……トランヴェル」
魔女マベルは私を抱きしめ眠りに就いた……。
私は彼女の甘い匂いと豊満な胸に包まれながら眠りに就いてしまった……。
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