最終話 アクア復興へ
セイレーンから、20キロの港町アクア。
一昨日、バルザック王国の精鋭部隊に襲われて壊滅した、アリア様の統治する港町。昨日、ヒト吉が、襲撃から逃げ延びた旧市民を発見し、救出。セイレーンと直線で繋いだ片側5車線(歩行者1車線、馬車2車線、高速馬車専用線2車線)の道路を整備が完成した。この道路は、セイレーンから、帝都まで繋ぐ路線も整備中で、ベルベルを越えたとのことだ。帝都からも工事を始めたので、後2週間で完工予定だ。帝都から最も近い港となるアクアには、セイレーンから、職人達が新道路を通り、大勢来てまさに光の速度で復興に向かっている。今回のことで、アクアの役所以外の土地の殆どが、アクアクランのものとなった為、スレインさんが、指揮を取り、街の開発を行なっている。旧市民の人達には、出来る限り良い条件で生活できる環境を提供することとしている為、旧市民の人達は好意的であり、アクアクランの傘下の商会、大工房の傘下に入ることとなった。港の整備は、改名した港湾管理ギルドが進めており、広大な大工房、職人学校も港から海岸線に開発を進めて入る。職人達は、僕から色々な素材を持っていき、魔道具を進めている。新道路の高速馬車の設計が終わり、開発段階に入ったらしい。聞くところによれば、セイレーンから帝都まで、高低差を踏まえても、最速6時間で、一回に武装した騎士を500人程運べる様になるらしい。アクアからセイレーンまでは、20分かからないとなると、今後アクアは、帝国の要衝となる筈だ。そんなアクアは、アクアクランの傘下の商会が仕切っている。スノーさんが高笑いしてそうだ。
「アレックス様、帝都のスノー様からご連絡です。」
「はい行きます。」
エセリーヌが、僕に通信機を持ってきてくれた。エセリーヌは、旧市民脱出で活躍し、その話を聞いたスレインさんが商会の見習いとして雇うことにした。後何人か見習いとして雇うらしい。他の子供達を含め、大工房の学校に商人科等も作って、勉強。させ、出来る子には奨学金を創設してセイレーンや帝都の学校にいける様にする予定らしい。今後の利益を考えれば僕が稼がなくても、その位の気にしなくて良いくらいの余裕が出る筈だ。スレインさんは、アクアの商会が1商会だけとなったので、商人ギルドのルールに則り、ギルド長になってしまい、異常に忙しくて、今日は一度も会っていない。忙しい、スレインさんのサポートになればと、通信機を貸している。セイレーンの白き薔薇団や、セイレーン公爵家行政府との会議にバシバシ使って、役に立っている筈だ。僕は、通信機を置いてある会議室に向かった。もう夜も更けているが、街中は工事が続いており、魔導具でガンガンに明るくなっている。
「みんな、頑張っているな。」
と、僕は零した、戦いで血を多く失い、昨日今日とほぼ寝ていた。僕はみんなの力になっているんだろうか?
「アレックス様は、一昨日頑張ったんだから良いんですよ。みんな出来る仕事を出来る時に頑張っているんです。そこらじゅうで昼間働いて、夜は呑んだくれている人も多いですから。みんな、アレックスさんに感謝してますよ。」
「そうか・・・、ありがとう。」
「へ?アレックス様?」
僕は、エセリーヌさんの感謝と笑顔に少し救われた気分だった。そんな話をしていると、会議室に着いた。
会議室には、大きな机と、木の椅子が並んでいる。その机の真ん中に通信機がドカンと置かれていた。僕は、椅子に座り
「スノーさん。アレックスです。」
「アレックス君なの。大変よ。」
「大変でしたね。こちらは何とかって感じですよ。」
「何の話?」
スノーさんは、とても焦って苛立った声で話している。
「アレックス君。よく聞くのよ。今日のパーティで、アリアが、あの野郎に婚約破棄を言われたわ。バルザック王国の馬鹿野郎と、イフリートの売女を潰すわよ。これは戦争よ。」
「スノー様、戦争はもう始まってますよ。」
ー第二章完 第三章に続くー
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