第25話 王宮でパーティー4
王宮へ向かう馬車の中でストライブ様と向き合う。
だけど今日はキラキラ度が高すぎて直視できない!
その正装姿と髪型が大人っぽくて格好良すぎなのよー!
いつもの制服姿も似合っているんだけど、今日はまた凛々しいわ!!
ドキドキが止まらないわ!
赤い顔でしばらく俯いていた。
「馬車に酔ってしまいますよ」
「!!」
「こちらを向いて下さい」
膝の上に置いてあった両手を握られる。
「緊張しているのですか?」
「あ…」
「震えていますね」
握る手の力が少し強くなった。
安心してと言わんばかりの握り方。
「…」
ドキドキし過ぎてどうしたらいいのか分からないの。
「私が側にいます。だから安心して…メリィ」
ストライブ様が手を包み込んで甘く囁く。
「!!」
メ、メリィって!
言葉が甘い!
「やっと…やっと近くに……」
また切なそうなストライブ様の瞳。
「え?」
「今日は私の事は名前で呼んでください」
「名前で?」
「そう。レイとあなたに呼んで欲しい」
手を絡めとられる。
「で、でも」
「呼んで欲しい…メリアーナ」
「!!」
色気が凄いんですけど!!
顔がまた赤くなる!
「私も名前で呼ばせて欲しい」
「は、は、はい…」
もう呼んでるし!!
こんな16歳いる!?
末恐ろしいわ!!
私はまた恥ずかしくて俯いてしまった。
ストライブ様の甘い視線を感じながら。
そして、手を繋いだまま馬車は王宮へ到着した。
ストライブ様が颯爽とエスコートしてくれる。
凛々しい濃い紫色の瞳。
正装姿が本当に素敵。
ストライブ様の手に私の手を乗せて馬車を降りた。
ん?
周りから凄く見られている。
何で!?
何でこんなに注目されてるの?
「!!」
ふと、足を止めてしまった私を促すようにまた腰に手がー!!
チラリとストライブ様を見ると蕩ける様な笑顔で微笑んだ。
「どうしたの?メリアーナ」
こ、声が甘い!
耳が攻撃される!
「な、なんでも…ぁりません、ス、ストラィブ様」
声ちっちゃ!
俯いてしぼり出すような声しか出ない!
「レイでしょ?」
「!!!!」
耳元で囁かれる!!
み、耳が死ぬ!
攻撃力ハンパない!!
「レ、レ、レィ…さ、ま…」
またしてもカァーと一気に真っ赤になった。
「ありがとう。とても嬉しい」
「ーーー!!」
満面の輝く笑顔!!
最終兵器きました!!
一体私をどうしたいワケ!?
そんな初々しいカップルの様子を周りの人々は微笑ましく見ていたり、黄色い声をあげたりしていた。
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