第7話・これは大問題ですよ
Let's Party~!!!!イェ~~~~イ!!!
さぁ!!待ちに待ったキノコパーティーだ!!
……。はぁ……。無理矢理に盛り上がってみたけど……。
やっぱキツいわぁ~。
目の前には焚き火に炙られたキノコの串焼きがある。
見た目はシイタケの串焼きそっくり。
匂いもシイタケ。
さっきから腹が鳴っている。正直、すぐにでも食べたい。
でも、勇気が出ない!!
元いた世界なら速攻で喰ってただろう。この見た目なら完全にシイタケだから。
ただ、今いる世界は異世界。見た目に騙されちゃいけない。
毒キノコって可能性は充分にある。
で、さっきから香ばしい香りの中、水ばかり飲んでいるんだけど……。
もう空腹が限界だ。恐怖からか?空腹だからか?わからないが、手の震えも止まらない。
よし!!根性決めて食おう!!どうせ食わなきゃ死ぬんだ!!
目を閉じて、勇気を出して……。パクっ!
…………?!……ウマ!!
スゲー旨いじゃん!!いやぁ~何ビビッてたんだか?
空腹は最高の調味料って事もあるんだろうけども。このキノコは最高だわ。
腹が痛くなるとか、頭がクラクラするとか、そういった事はない。
これなら大丈夫だ。とりあえずは食料問題も解決って感じだな。
安心出来るとさらにキノコが旨く感じる。ガンガン食っちゃおう!!
モグモグ………。
モグモグモグモグ…………。
モグモグモグモグモグモグ…………。
ごちそうさまでした。
う~ん。満足!!取ってきたキノコを全部食べちゃったけど、仕方ないか。
また、取って来れば良いんだしね。
腹が満たされれば心も満足する。心地良い疲れが全身を包んでいく。
あぁ~。今日は魚捕りで頑張っちゃったからなぁ~。
その疲れの為か手足が痺れてる、明日は筋肉痛かなぁ?
ちょっと早いけど、寝ちゃおうっと。
おやすみなさい。
………………………………。
…………………………………………。
……………………………………………………。
陽射しの眩しさに、ふと目が覚めた。
清々しい目覚めだ。昨日の疲れも完全に取れて体調もバッチリ。
静かに聞こえる潮騒も潮の香も心地良い。
う~ん……と、大きく伸びをして起き上がった。
……あれ?なんで砂浜で寝てるのかな?
寝ぼけて海岸まで来たとか?……それはないだろう。
てか、なんで右手に「たびのしおり」を持っているのかな?
いや!!それよりなんで全裸なの!?
オイオイ!俺、一体なにやらかした?
寝ぼけて全裸になってここまで来たってか?
思い出せぇ~。全力で思い出せぇ~。
…………全然、思い出せん!!やっぱ、あのキノコはヤバかったのかなぁ?
ゲームみたいにログでも出れば楽なんだけどなぁ~。
なんて考えたら、ピロンと軽い音がして目の前にログの画面が出た。
いやぁ~流石はダンジョンマスター、便利ですなぁ~。
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『マヒイタケ』の『マヒ毒』を摂取により状態異常『マヒ』になる。
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『マヒイタケ』?なんだそりゃ?あれか?あのキノコか?
あのキノコは『毒』なのか?
なんかスッゴい嫌な予感しかない!
だが、怖がってばかりじゃいけない。落ち着いて続きを読もう。
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『マヒイタケ』の大量摂取により『心臓マヒ』で死亡
ユニークスキル『死に戻り』を発動
これにより『マヒ耐性』及び『毒耐性』を取得
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……マジかぁ~。俺、死んじゃったかぁ~。
なんか『耐性』とか付いちゃったかぁ~。
しかも『死に戻り』って単なる『デスルーラ』じゃなかったのねぇ。
装備まるごと無くなるって……、こりゃ大問題だぞ。
しかもだ。食料問題もまた未解決に戻っちゃったよ!
あのキノコがダメなら、例の池の魚が当面の食料って事か!
本格的に魚捕りの方法を考えなくちゃならんぞ。
それにだ、今の全裸状態も問題だ。これで服とか靴が消えてたらたまったもんじゃない。いくら無人島だからって全裸で過ごすのはキツ過ぎる。
とにかく早く拠点の洞穴に戻らないいけない。
が、しかし……。
「全裸で森に入れってか?!」
そう、この場所は最初に俺が落とされた砂浜だ。
拠点に戻るには、森に分け入り山を登らくちゃならない。
ただでさえキツかったのに、今回は全裸でそれをやらきゃならない。
マジかよぉ~。どんなバツゲームだよぉ……。
あ!今、気が付いたんだけど俺、死んじゃったじゃん。
あの女神にバレたら全裸で土下座だぞ!
マジヤバだぞ!そういう趣味の方ならご褒美だろうけど、あいにくと俺はノーマルなんで全裸の土下座なんぞバツゲームの上塗りにしかならない。
ボヤボヤしてはいられない。幸いにもまだ女神にはバレてないみたいだ。
もしバレてたら、ここに女神が降臨するか、俺が強制的に召喚されるかのどっちかのはずだ。バレない内にさっさと拠点の洞穴に戻ろう。
ただ、全裸で森は流石にキツ過ぎる。だからダンジョンマスターの力を使って『道』を作りながらの帰還としよう。
ふふふ、俺の右腕が唸るぜ!!!
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