第21話
「優の反抗期が終わったのはいいけど、何で最終日がここなんだ?」
おれ達が来ているのは、薫の地元の遊園地だ。
弟達が先日行った有名な方じゃなく、ただの遊園地、地元の人がよく行くやつだ。白鳥は遊園地に行くのに最初は渋っていたが、薫がどうしてもというので、仕方なく付いて来てくれた。
その地元民の薫は「わいは、チビちゃん達と一緒に回るから、秀と美和子で適当に遊んでくるとええで」と言って、サッサと行ってしまった。
薫の両親は家だし、今はおれと白鳥の二人きりだ。
遊園地で男女の二人組、傍から見たら、デートである。
「そんなことは全くないのだけれどね」
「ですよね~」
「まあ、散歩だと思って楽しみましょう」
そういえば、今回の旅行で二人きりになるのは、これが初めてだ。
「じゃあ、何か乗るか。何がいい?」
「まずは、サウンド型お化け屋敷『人形の館』、次は和風お化け屋敷『妖怪の住む宿』、次は迷路型お化け屋敷『血塗られた廃病院』……」
「お化け屋敷三連続かよ!」
そこまで広くない遊園地の割に、お化け屋敷のラインナップだけ多い。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます