第480話 お母さんの呪い
田舎では上の世帯と同居しているか敷地内に家を建てて近居となっているので、よっぽど小さい子のいる家以外はお母さんたちは外で働いている。
家の中に主婦が複数いると揉めるだけというのもあるだろう。
そういうこともあって、学校から急なお願いがあったり、イベントで車を出さないとならないということになると、直接頼まないのに圧力かけた期待をされることが多い。
在宅しているということで学校の先生から「お願いできませんかー」と一本釣りされることもある。
子育てというのは母親だけがやるものでもないし、地域で育てるみたいなきれいごともよく聞くので、私じゃなくてもいいのでは?と思ったりもした。
天然ぶって「えー何で私なんですか?」と口から出したりしたが、あれこれ細かい面倒ごとは「お母さんがやる」という呪いがあるのか、相手は要求をひっこめたりはしない。
家族しか乗らないということで、うちの車はアルファードやエルグランドのようなものを選んでいないので、「うちよりそういう地元のご家庭が頑張ったらよいのでは?」と私は思うのだ。
他所から来た人に負担させて、それで地域に溶け込んでもらうきっかけを作ってやるのだみたいなことを言う人もいるが、それ何回やったらいいの?いや、やっても感謝されず当然みたいな顔されて、そこへ溶け込めというのが無理筋。
一つくらいこっちもタダ働きするかと善意で行動しても、ズルしているグループがエアコンがしっかりきいた場所でのんびりお茶してだらけきってるのを見て、この人たちの夫たちも愛想尽きないのかなと心配になったこともあり。
在宅の仕事で忙しくなって、そういったお願いも「仕事が多い時期なので、体力的に難しいです。ごめんなさいねえ。」と罪悪感ゼロで断れるようになった。
よく考えたら、忙しくなくてもイヤだったら断ったらよかったんだよね。
ちょっと親切にしても、親がそんな感じだから子どもも似たようなもので、「ありがとう」の一言も口から出て来なかったり可愛くないんだよ。
謝ったら負け、お礼言っても負けと言われているのかな。
この先の人生でそういう態度だと、誰にも可愛がられなくなるし、母ももうちょっと後のことを考えて教育したらいいのにと思ったものだ。
呪いですな、これ。
親が変なことをしていると、その背中を子どもは見ている。
親が理不尽なことを言っても、子どもはそのまま受け取る。
幸せになってほしい我が子に呪いをかけているのは誰なのかな~と。
母が呪いをかけてはダメだね。
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