第221話 執念
困ったお隣さんの話は何度かここで出したことがあるが、これは田舎で人が少ないから対象者が変わらないという側面もあるような。
実際、お隣さんは私たち夫婦が来る前は、別のご家庭に執着してたようだ。
そちらが引っ越す前あたりから、うちへと興味がスライドされたようで。
子どもの年齢もかなり違うし、やっていることも違う。
大人同士も気が合うわけでもないから、必要以上に仲良くするつもりも最初からなし。
どちらかと言わずとも、距離を思いっきりとっておきたいタイプの人。
そもそも、盗癖がある人と仲良くしたい人っている?
私が身につけているものにもあれこれ言うし、会話を極力したくないから、常に塩対応しておいた。
あれしてあげようか、これあげようかとかいうものも、「結構です」でブロック。
いい近所のお姉さんぶって、子分にしようとしているのがわかる態度だったから、バカにしてるなあと呆れていた。
うちの子どもが小さいうちは夫の実家にも割と頻繁に宿泊込みで出かけていて、帰ってきたら郵便受けのダイヤルロック錠が開けられていたことがあった。
あの自分で設定した3桁の数字を暗証番号にして、番号を知らない人は開けられないというもの。
玄関先で 1000分の1を探してたんだと思うと背筋が凍る。
執念で解除されてしまったダイヤルロック錠が、無念そうに開けられてひっかかったままだった。
よそのうちの郵便物を持って帰って何が嬉しいのかねえ。
数か月後に、別の空き家の郵便受けにしれっと入れて誤魔化そうとしているのももうわかっているし。
わざわざうちに誰もいない時間を狙って、郵便受けを覗きに来るなんて、あちらの家族も全く気が付かないなんてことはないんじゃないか。
おかしいなと思ったら、きちんとそっちで対処してほしいものだ。
警察にも郵便局にも既に相談済み。
ダイヤルロック錠は捨てて、南京錠に換えた。
それでもたまにうっすら郵便受けのふたが持ち上がっている。
どんなに頑張っても南京錠がついていて、指も入らない状態になっているのに、何がしたいのかなと思う。
あと少しでさようならのはずだが、あの人が行った先のご近所さんは気の毒だなあと今から思う。
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