第199話 不思議なミシン
二十年以上も前に子どもの布おむつを縫うために急いで買ったミシン。
調子が悪くて一度修理に出したけれど、改善はされなかったのだよ。
不思議なのは、どうもどこかネジが落ちているようで、振るとカタカタと音がする。
修理に出したら、そのネジらしきものも回収されるか、あるべき場所へ戻してもらえるのだろうと信じていたのだが、カタカタと音がするまま返ってきた。
たくさんの物を縫ってきたから、どこかのネジがどんどん緩まって外れてしまったという可能性があるのはわかるが、放置はどうなのだろう。
手が入らない所なのだろうか。
そのネジが締まっていないままミシンを使用しても問題がないということなのだろうか。
これが微妙な価格のミシンなので、もう一度修理に出すのも憚られるし、使用年数を考えると新しいものを買った方がいいのかもと心が揺れる。
2万円を切っていたミシンをこんなに後生大事にしなくてもとは思うが、どうも貧乏性なもので使えるものを手放すというのに罪悪感があるのだ。
その価格のミシンなので、できることは限られる。
縁をロックすることもできないし、刺繍なんかもミシンはしない。
厚みがある布も縫えない。パワーはそんなにない。
それでも布おむつや子どもたちの通園通学の布バッグを作ったり、洋服もいくつも縫ったから、愛着はある。
夫の仕事で使うものもなぜか私がこのミシンで仕上げたこともあったなあ。
それが布ではなかったから、それ以降、ミシンの調子が悪くなってしまったのだった。
今は男性も細かいカッコイイ物を自分で作るためにと、男性をターゲットにしたミシンも販売されている。
それ、レザーも使えるらしくて、私が欲しいくらい。
これまでのミシンは女性をバカにしてるのか、白やパステルでやたらと丸っこいものが多くて、もっとメタルな頑丈なものが欲しかったのに、男性向けはカッコイイのだ。
https://www.axeyamazaki.co.jp/products/om-01/
値段もちょうどいいくらい。
こうやって男性の意見とかはすぐ取り上げられるのに、使用者の多い女性の意見は全然反映されないところをみると、ミシン業界も男性の方が多くて力があるんだろうな。
定期的に田舎でもミシンの販売会みたいなことをやっているのがチラシが入ってわかるが、こういうミシンはチラシで見なかった。
現物見たいなあ。
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