第188話 急がない

ぽかぽか暖かいので、燃費もよろしいバイクで買い物に出かけた。

目的の物を買って、リュックに詰めて、帰路につく私。


前方から救急車が走ってきたのが見えて、前を走っている車がさっと左に寄って止まっていく。

もちろんのこと私のバイクも左に寄せて止まる。


救急車を無事に行かせてから、車もバイクも走り出すのだが、私のすぐ後ろの車が

私のバイクを抜きにかかってきて驚愕。恐怖。


抜きにかかってきたというより、反対車線の救急車を行かせる時も停車しなかったのかもしれない。

そしてついでにバイクも抜いておこうと思ったのだろう。


バックミラーで確認すると、高齢ドライバーだった。

車種もセダンだったから、そうじゃないかと思ったけれど。


まず救急車が来たら止まろう。

前の車は全部左に寄せて止まっているのも見えているはず。

そんな適当な運転するなら、もう車に乗らないでおくれよ。


フルフェイスのヘルメットを被っている私には、救急車のサイレンの音はかなり近づいてからしか聞こえなかったが、車体はしっかり確認できたからなあ。

聞こえていない、見えていないとしたら、それも怖いことだ。


原付バイクのように道路の左端を走らずに、車のように真ん中を走って存在感はアピールしているから私のバイクを見落とすってこともない。

バイクが左に寄った、その前の車たちも寄って停車しているということで

「あ!救急車が来たのかな?」と想像がつかないのもアウト。


そんな人が運転する車が田舎にはたくさん走っているから、なるべく車間距離をとって、こちらのバイクを視認してもらえるように走るようにしている。

右折時も車以上に注意している。


私のバイクを救急車が走り去るのに紛れて追い越そうとした高齢ドライバーの車は、しばらく私の後ろを煽るようについて走ってきたが、流れに乗って走っていたらいつの間にかありえないくらい遅れて走っていて、ミラーに小さく映るようになっていた。


判断もできないし、車間距離も適正を保てないし、気を抜くと法定速度を下回る速度で走って大名行列にしてしまう高齢者だったようだ。


急いではいけないけれど、流れに乗れないというのも迷惑なことだなあと思った。


こういう車の後ろについてクルーズコントロールを使うと、短時間で車酔いするんだな。

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