第182話 『イニシェリン島の精霊』
前々から気になっていた映画を観た。
ネタバレをする気はないので、ご安心を。
私が映画を観て思ったのは、いい人であっても言葉や気持ちが通じないのは恐ろしいなということ。
他の感想はネタバレに繋がるかもしれないから、これだけ。
自分が育った所や学校へ通った場所のようにある程度街であれば、そこまで人も少なくないから、特定の人間に執着されるなんてことはなく、さらっとかわせる。
合わないなと思う相手だとしても、周りから見てもいい人の対応をして表面上のお付き合いで終われる。
閉鎖的環境になると、驚くほどに執着されることがあるのは、田舎に越してきてからわかった。
田舎でも問題のある人に執着されても、その人から誰も逃げるのを助けてくれないことも実感した。
興味を一方的にもたれる。嫉妬で悪口を一方的に広められる。
郵便受けに投函された領収書や請求書の封が開けられているなんてこともあったり。
自分は親切な人間なんだ、あなたと仲良くなりたいんだという欲求はマイナスのものでないから、あなたは受け入れなくてはならないというような強烈な押し付けも経験した。
こちらにも選択権はあるでしょう。そこがどうもわからないらしい。
映画はもっと複雑なものだったけれど、私がここに住んでからのことがかなり重なって見えて、気持ちが重くなってしまった。
田舎に引っ越す前に観ておくといいかもしれない映画かな。
景色は美しいけれど閉塞感。そういうのを感じることができる。
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