第89話 広い空
スキー場に初めて行った時に思ったのは、空が広いということ。
空を雲が流れていき、山にその雲の影が流れていく。
街に住んでいると、雲の影がわかるような広い平坦な場所はなく、
雲が影を作ることはわかっていても、その輪郭をつかむことはできない。
田舎に住んでみると、雲の影の輪郭がよくわかる。
向かいの山に雲の影が動いていくのを見られるし、車で走っていって
急に雨が降ったりやんだりするから体感できる。
山の向こうから黒い雲が近づいてくると、さっと洗濯物を片付ける。
風の向きが変わったり、風の冷たさが変わったり。
ただの主婦なのに、大自然の中の旅人のような気持ちになる。
雨上がりによく大きな虹を見る。
虹の両端までしっかり見えることが多い。
二重の虹もたまにかかっている。
彩雲も幻日も見た。
空の画像を毎日のようにSNSにあげていく女性を痛いと言っていたけれど
これくらい変化に富む空であれば楽しそうだ。
街に住んでいた子ども時代や学生時代はあまり空を見上げたりはしなかった。
それは空が狭かったからだと思う。
広く見渡せる場所に出たら、ぜひ空も見てほしい。
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