第24話 11階層 森と草原のダンジョン

 昨日ノートパソコンを見たら、異世界へ行くためのアプリがインストールされていた。

 それをクリックすると例の注意が表示された。


【注意! ダンジョン帰還スキルがないため危険です。スキル取得をオススメします】


 おぉ、これを無視して行くとは、余程気持ちが大きくなっていたんだな。

 ま、死ぬとか書いてないし、いつもと同じ感覚で行ったのかもしれないけど。


 そのおかげで、後続の俺達は慎重に行動できるから、ありがとう勇者よ。

 そう祈りながら昨日は就寝した。


 そして今日、11階層を攻略してみようと考えた。


 俺達は、それぞれ準備して11階層へ向かった。


 11階層は、森と草原のダンジョン、天気は快晴だ。


 ダンジョンに入ると、俺は3体の気配を察知した。

 3人に声をかけ慎重に進む。


 そこには3体の黒いウルフがいた。

 鑑定すると、ブラックウルフと出た。


「ブラックウルフ3体か」


「ブラックウルフは夜行性のはずなのに起きてるのねぇ」


「おじ様の配信情報によると、ダンジョンのモンスターは、ランダム配置らしいからね。ま、俺達に有利な場合は歓迎しとこうよ」


「うふふ、そうねぇ」


 そう言って、トワさんは3体を拘束し、せっちゃんが槍を突き刺していき、あっという間に殲滅した。ドロップは、魔石とブラックウルフの毛皮。


「お、ちょっとは良い毛皮なのかな? あとでラズに聞いてみよう。じゃあ……」


「あらぁ、もう次が来たわぁ」


 トワさんの気配察知の方が俺より広いのか、返事を返そうとする時には、俺にも察知出来た。


 ブラックウルフが3体。


 トワさんが拘束魔法を発動したが、拘束されながらブラックウルフが遠吠えした。


「これは、一気に来るかも……せっちゃん盾突き刺して攻撃重視! あまり遠くに行かずに引きつけて倒して! トワさんと桜は盾の影に!」


 俺は、いざという時のため、収納から盾と長剣を出しトワさん達の近くに置き弓を構えた。

 

 拘束されているブラックウルフは矢を放ち倒すことに成功。


「周囲警戒! トワさんお願い」


「わかったわぁ……4体あっちよぉ」


 トワさんが指をさしたほを見ると、こちらに向かうブラックウルフ4体が見えたので、矢を放ち接近する前に倒した。


 そうやって近寄せる事なく数グループを倒し終えた時、森から近づく気配をトワさんが察知した。


 森の中から、オークが4体出てくる所だった。

 鑑定は、オークファイター、オークナイト、オークアーチャー、オークマジシャンだった。


「トワさん弓と杖のオークを拘束! せっちゃん接近してきたやつは頼む!」


 声をかけると、トワさんはすぐに拘束魔法を使い、アーチャーとマジシャンを拘束した。


 俺は矢を番えると、マジシャン、アーチャーの順に、頭を射抜いていく。


 ファイターとナイトは、ナイトを先頭にこちらへ向かって来ていた。


 俺は頭を射抜いたオークが光になるのを確認して、ファイター達を確認すると、丁度せっちゃんと戦闘を開始する所だった。


 せっちゃんは、蒼く輝く大剣を両手持ちに身体の横に構えていた。

 その状態から、ナイトを通り過ぎる様に大剣を振り抜き、盾ごとオークの胴体を両断。

 そのまま斬り返し、ファイターも両断した。


 やっぱせっちゃん強えぇぇ。


 オークの集団を倒した後も、ブラックウルフの群れが迫ってきて、休む暇なく戦闘は続いた。


 ブラックウルフを倒せば、オークが来て、オークを倒せば、ウルフがくる。


 数十分なのか数時間なのか、漸く戦闘が終わった。


「キッツイ! 連戦厳しいわ。この階層ポイント高くてもキツい!」


 そう言って俺は草原に寝転んだ。


「ふぅ……本当ねぇ。私も疲れたわぁ」


 俺の頭の近くに座るトワさん。

 ふわりと良い匂いして、視線の端に、ふわんと揺れる何かが映った。

 そちらに視線をやると、カーディガンを半分脱いだ状態のトワさんがいた。

 何がとは言わないが横から溢れそうです。

 ありがとうございます。

 

「うふふ、ご馳走様ぁ。少し回復したわぁ」

 

 何よりでございます!


 しばらくそうして休んでいると、せっちゃんと桜が、ドロップ品を集め終えたようだ。


「ありがとう2人共」


 せっちゃんはサムズアップ。桜もおどおどしながらのサムズアップ。

 微笑ましい光景です。


 その後は、敵と遭遇する事なく、ボス扉まで到着した。


 扉を開き中を覗くと、オークナイト4体、オークファイター3体、オークマジシャン2体、オークアーチャー2体の集団がいた。


 ただ通常のナイトと違い、盾がタワーシールドとなっており、矢の射線が通らない。


「これは、トワさんは拘束魔法を後衛に使ってもらっても、魔法は飛んでくるよな。こっちもタワーシールドを突き刺して、魔力を通せば安心だけど……桜いけるか?」


 桜は、カタカタと頷く。


「お! それなら安心だな。なら、せっちゃんは大剣で正面突破してファイターとナイトを。俺は壁沿いに回り込んで、オーク達の後衛を仕留める」


 俺達は作戦会議を終え、突入した。


 作戦通りに事が運び、俺が回り込んで後衛を仕留める頃には、全てが終わっていた。

 魔法もトワさん達に飛んでいったが、桜がタワーシールドに魔力を流すことで、無効化していた。


「みんなナイス! ありがとう!」


 そう声をかけ、片手でハイタッチをしていった。


 その後、ドロップ品を回収し次の階層へ向かった。


 12階層は、雪原のダンジョンだった。


「寒ッ! 帰ろ帰ろ!」


 即部屋に帰還した。


 ラズに出迎えてもらって、俺と桜は改めてドロップ品を確認する。


 各魔石とブラックウルフの毛皮、オークの肉だった。

 

 おぉ! オークの肉だ。桜もカタカタ揺れながら喜んでいるようだ。

 飯時が楽しみだ。


 俺は、各魔石を売却し、夕飯までゆっくり過ごした。


 夕飯は、オーク肉の煮込み、オーク肉の野菜炒め、ご飯に豚汁ならぬオーク汁。

 どれもこれも、ご飯が進む!

 めっちゃ美味い!

 桜、ありがとう!


 美味しい夕飯を食べ、ゆったり過ごし、幸せに包まれながら就寝した。





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現在の主人公装備一覧


初心者の剣

初心者の木の盾

ウエットスーツ一式


ミスリルの短剣

ミスリルの剣

ミスリルのカイトシールド

ミスリルコンポジットボウ

ミスリルハーフプレートメイル

ミスリルアームガード

ミスリルグリーブ

ウルフマント

リザードマンの皮手袋


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スキル一覧


テイム

体術

短剣術

長剣術 

盾術 

弓術

魔力

魔力操作  

魔力向上 

上級回復魔法

(回復魔法には、解毒などの魔法も含む)

生活魔法

補助魔法

腕力上昇 

脚力上昇 

体力向上 

回避補正

鷹の目

鑑定

収納

矢弾作成

水中行動

気配察知

異世界言語

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持ち物一覧


若返りの薬 1本

チェーンソー

ミスリルの両手剣

ミスリルの槍

ミスリルタワーシールド

ミスリルの腕輪

ガーネットとミスリルのネックレス

隠者のローブ

ツルハシ 3本

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設備一覧


初心者物干しセット

鍛治設備一式

小さな個室

トイレ

脱衣所付き風呂場(洗濯機、洗面台は脱衣所)

冷蔵庫

キッチン設備一式

大きな座卓一式

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従魔一覧


ヴァルキリー風ゴーレム(せっちゃん)

ロリドワーフ(ラズ)ラズベリーショート

セクシーリリス(トワさん)ゆるふわロングダークレッド

(拘束魔法)

土下座スケルトン(桜)

(異空間収納、料理)

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(魔石オーク6個はマイナス)

ブラックウルフ 40体 Dポイント +2,000

各オーク 48体 Dポイント +3,840

魔石合計 Dポイント +5,360   


アイス等 Dポイント 300


残 Dポイント 83,295

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