第68話 神技?

 ミーティア州の州都に行く前に、馬車の中継地点のカステルと言う町に到着した。

 アランが毛布を貸した親子は、この町の出身だった。


 明日のお祭りに合わせて帰省したそうだ。


 明日は、パラデニア祭りがあるそうで、町はお祭りの仕度で追われていた。

 パラデニア種は、ミーティア州に生息する魔獣で、神の遣いとして大切にされている。


「チルチル、お前の為のお祭りよ。チルチル祭り、楽しみね。」

 ニーナは、チルチルに抱きついた。


 いや、単体を祀る祭りじゃねーし。


 チルチルがアランを見る。


 ……何、…俺の心読んだ?

 アランは、ビビった。


 ……まさか?ただの魔獣じゃん。

 チルチルが、唸っている。


 ……ただの魔獣って言って、ごめん。


 チルチルは、唸るのを止めた。


 ……怖っ。チルチル、マジ、神⁈



 チルチルは、ニーナの父親が連れて帰ってきたパラデニア種だそうだ。

 一匹で森にいたところを保護したらしい。

 当時、チルチルはガリガリの痩せっぽちの子だったらしい。

 あんなにお世話したのに、今じゃ、私を妹だと思っているみたい、とニーナが、話していたことを思い出した。


 アレクサンダーは、きっと手のかかる息子だ、ぐらいにポールのことを思ってそう。


 アランは、スタンとボッサを見た。



 ……崇拝の目だな。


「宿屋を探すぞ!」

 アランは、上機嫌で歩き出した。



「おい、スタン、ボッサ、どうした?がっかりして、腹減ったのか?」

 ポールが、おやつをカバンから出すと、スタンとボッサは尻尾をふりふりし、目を輝かせてポールを見ていた。


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