○。...○○。

靑煕

1 透明に沈む青

オモムロに筆を取り紙を鋤く

硝子グラスの海に透く世界は

静かな鈍色を沈め

薄水色の光沢を放っていた


また雪曇ユキグモが迫ってくる

じわじわと

風に煽られながら

千切れた綿菓子が

軽く細く

しなやかな糸を

紡ぎ直すように

上空の鮮やかさを

掻き消すように


氷雪は街中に

撒き散らされ

此でもかと

自らの色に

世界中を覆い隠す


雪白の明日アス

朝日に反射して

眩しいくらいに

煌めくだろう


きっと

静かな夜を破って

確かな足跡を遺す前に


透明な夢の中

独り

沈む

眠る

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る