第15話 偶然の遭遇
これ以上先に進めないことがはっきりしたので、永山は波左間海水浴場でタクシーを降りて歩くことにした。この特ダネ情報をデスクに伝えようとスマホの電源を入れてみたが、予想通りアンテナは1本も立たなかった。周辺は完全に通信が遮断されていた。スマホの地図は使えない。永山はショルダーバックから日本地図帳を取り出した。万が一のために紙の地図はいつも持ち歩いていた。
地図上で山道をたどると波左間リゾートから諏訪神社を経由して、野島崎灯台近くまで行けそうだった。ただし、道路が封鎖されていなければの話だった。波左間リゾートから先はかなりの山道だった。山道の下りが終わる辺りで2人の若者に出会った。ジーンズにスニーカー、バックパックを背負った旅行者のようだった。「ちょっと教えてくれないか。この先のT字路を左に行けば野島崎灯台にたどり着けるかな」若者はお互いに顔を見合った後、同時に首を横に振った。
「この先は道路が封鎖されています。僕たちも房総フラワーラインが封鎖されているので、その道を行こうとしたのですが、そちらも封鎖されてしまいました」
「そうか。万事休すか」「仕方ないので、僕たちは山の中腹にある諏訪神社に行くところです。そこからだと太平洋が一望出来るそうです」永山は野島崎灯台からはかなり離れているが、眺望が良ければ異変が観測出来るかもしれないと思い、若者と同行することにした。道すがら彼らがアマチュア天文家で房総沖に落下した謎の物体を調べていることを知った。謎と謎がつながり始めた。
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