流煙
煙草を吸うのを辞めたらしい、と気づいたのは、ずいぶんと前だったように思う。何となく理由は分かっていたけれど、あの人の存在が此処まで大きいなんてね。
煙草を吸うときの仕草が、私はずっと好きだった。けれど、思い出になっていく貴方。変わっていないのは私だけだったのかもしれない。ずっとなんてないなんて今更分かってもなぁ。そしていつの日か、貴方を好きな私も思い出になっていくでしょう。
いつの日か。貴方の知らない誰かのそばで、今日のことを、思い出すのでしょう。
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