第64話 賽銭箱

おいら、賽銭箱。

神社にある賽銭箱だよ。

もともとは、賽銭、お金じゃなくってお米だったんだけど、

なんか知らないうちにお金になっちゃった。

おいらは木の箱だけど、水たまりに投げ入れたりするとこもあるよ。

世界中であるみたい。

お金の金額も、

中には1000円とか、10000円とか中には小切手なんかもあるみたいだけど、

大体は10円かな?

通貨の「円」を「縁」に絡めた語呂合わせで、

5円・・・ご縁

115円・・・いいご縁

とか・・。ま、色々な語呂合わせでお金いれてくれる。

神様や仏様は、金額でお願い事を叶えたりしないから安心してね。

そういうのは金額じゃなくって気持ちだからね。

毎日いろんな人がおいらにお金いれていいくよ。

お金いれて、おいらの上にあるおっきな鈴みたいなのを鳴らして、

手をパンパンさせてね。

ちっちゃい子もおじいちゃんおばあちゃんも、一生懸命お願いしていくよ。

おじいちゃんとちっちゃい子がお金入れたときは、

ちっちゃい子は、おじいさんが長生きしますように。

おじいさんは、まごが元気に育ちますように。

って。ついつい神様に口添えしちゃったよ。

ちょ。この二人の願い聞いてやれよ。お前一応神様だろ?

いつもぼーっとしてないでこういうときぐらい仕事しろよ?

って。

え?態度でかいって?

そりゃ、おいら、財布のひも握ってるからね!

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