第60話 バスタオル
おいら、バスタオル。
ジバンシィのバスタオルだよ。
GIVENCHY。だからね。
ご贈答用だけどね。
タオルセットのひとつ。
おいらの居場所は、
押し入れ。
もう、3年になるかなあ。
おいら、ずーっと控え。
次はおいら?その35年。
なんか、しみついちゃうかも。
でもそこはポジティブに、
必ずおいらが必要になる時が来る。って。
この間、お母さんが箱を持ち上げたことあったけど、またその場に置いた。
そう。必ずチャンスはくる!
お。お母さんが押し入れゴソゴソしてる。
なんだろ?ん?お?おいらの、はいってる箱をあけて。
おいらを取り出した。きたー。おいらの時代。
あれ?いきなり、洗濯機へ?なに?
あ。水通して洗ってかあ・・・。むむ。本格的だな。
おいらはジバンシィ。厚手のフカフカだからね。
おいらの仲間のフェイスタオルも一緒に洗濯。
ん?ありゃ。娘さんの赤ちゃん?
娘さんがおいらたちを、大丈夫かとお母さんに質問。
愚問だね。おいら、ジバンシィ。ジバンシィだからね!
娘さんのお子さん。おいらがブルジョアにしてやるよ。
まかせとけ!。
お母さんも同じこと言ってる。
ジバンシィだ!って。
でもお母さん。
この間箱持ち上げたとき、結局隣の箱のバスタオル持って行ったけど、
あいつ、今、どこにいるの?たしか、エルメスって書いてあったような・・・。
あ、猫の寝床!
猫。おまえもブルジョアだね。
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