第3話 心霊スポットと宝探し

 二人は走りつかれて地面に座り込んでいる。ゼイゼイハアハアと息が上がっている村田けんじとポンコツ女神。山奥の道、夜のしいんとした空気感。

「ひどーい! 置いていかないで⁉️」

「すまん」

 ポンコツ女神はプリプリ怒る。

「まったく! こんなところに宝はあるのかしらね?」

「さあ?」

 そう言えば、村田けんじは夜の山奥の誰も居ない神社を目指している。ポンコツ女神は宝探しをしている。どう考えても目的が一致しない二人である。

「私のことを、どう思っているのよ?」

 ポンコツ女神は急にそう言った。

 村田けんじは考える。この自称女神はセクシーな女性である。夜空から降りてきた女性である。女神と言われればそうなんだろう。

「うーん、美人だね」

 それを聞いたポンコツ女神はむふふと笑みを浮かべる。案外、チョロそうである。

「まーね! 私は女神だからね♡」

 やっぱり、チョロそうである。

 二人は夜の山奥の道を再び歩いている。

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