Again about Marriage

横谷昌資

愛だけじゃ足りない

権利の話はまるで利権や特権の話

どこでどう捻じ曲がったのか、

ただあなたと同じものが欲しいだけなのに


俺たちが一緒になることで生まれる義務とは何なのだろう

彼と彼女はそれを果たしているから権利を持っているのだろうか


望んでいない人もいる、は問題にならない

選択肢が存在しないことが問題なのに

権利を行使しないこととそもそも権利がないことはまるで違う

俺たちだって“ここ”にいるのに


“それが当然だから”

“それが伝統だから”

それで終わらせないでくれ

現実に困っているっていうのに


社会で生きていくにあたって困ることが多いんだ

恋愛の形としての結婚を求めているだけじゃない

でも、ある日ふと結婚しようか、と、できないこと、

彼らがそう選ぶようにできないことはあまりにも辛い


義務と権利がセットならなぜ俺は権利を持てないのだろう

それとも俺はもっと頑張らなければならないのだろうか

あなたよりも


俺たちは部屋を借りられない

彼の生命の危機のとき俺は病室に入れない

彼が死んでしまった時俺は彼の遺品を何一つとして受け取れない


最大の問題は“俺は困ってないからお前は苦しみ続けろ”

そういうことだろう


同性同士の結婚は

ゼロがプラスにではなく、マイナスがゼロになること

それだけのこと


愛し合っているのなら結婚なんて必要ない、なら、

ならなぜあなたは結婚しているのだろう

あなたの言葉は半分正しく半分間違ってる

あなたには選択権があるけど俺にはない


あなたはそれこそ周囲が猛反対しても

彼女と駆け落ちすることができる

でも俺は周囲にいくら恵まれていようと

彼と一緒にはなれない


俺たちの愛を認めてくれとかそういうことじゃない

生活する上で困ることが多いんだ

なぜわざわざアピールするのか、って、

そうしなきゃ社会保障が受けられないんだもの


同性婚で犯罪が起こりやすくなる、なら、

ならそれは結婚制度そのものに問題があるんだ

なら制度自体を改めようとしなきゃいけないはずなのに

あなたはそうしない


結婚は子孫繁栄のため

だから子供を作らないなら意味がない

でも男女カップルなら別


ああ僕らは一体いつまでこんな話を続けるんだろう

あなたは一体いつまで同じ話を繰り返すんだろう

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