中二階にて

今の生活に決定的な不満があるわけじゃないなら

多少不具合があってもそのままでいよう

と思うのはごく自然なこと


だって面倒臭いじゃない

傷つきながら進むのって


日本人だとか男だとか人間だとか

初めから問題なく”そこ“にあったものじゃなくて

そのアイデンティティは戦いの中で勝ち得たもの

危機感の中で


あなたも自身の“何か”が揺らげば

きっとわかる


しかし果たしてこれで伝わるだろうか

たぶん何がどう問題なのかいまいちわかられていない

いちいち何が苦痛なのか伝えるのは想像以上に大変で

そもそもなぜ俺がこんなに頑張らなきゃいけないの

困っている側が


ほらとっても面倒臭い

だからなあなあで済ましてる


点字や盲導犬は目の見えない人を救う

車椅子やスロープによって人間は救われる

“ゲイ”が笑いものでなくなれば、誰もが救われる


その“問題”は社会の在り方が変われば

なくなっていく


でも社会の在り方を変えるって大変だし面倒臭い

多様性を認めると面倒臭くなるんだ

どれだけ頑張っても全ての本が点字になることはない

だからこのままの世界が続いていく

だからそれが“問題”だ


みんなが穏やかだったら

別にわざわざ動くこともない

でも今、とても穏やかとは言えない

だから頑張らないと


そしたら“そっとしてればいいのに”

“寝た子を起こすな”

そうこのままじゃ“このまま”なんだ

何が問題なのかすら伝わっていないから


でも起こそうが起こすまいが

寝た子はやがて起きる

でなければ死ぬだけだ

しかしあるいはそれを待たれてる?


なぜその言葉にこんなにまでも傷つくのだろう

まるで存在そのものを否定されているかのようで

言葉にしにくい痛みと辛さがそこにある

それでも言葉にしなくちゃ伝わるものも伝わらないから


変わっていっていいもの、変わるべきもの、

変わらない方がいいもの、変わってはならないもの

僕らはそれを見抜かなければならない


今はこうやって行くしかない

誰かがやるしかないのなら

それが俺でなきゃならない理由はないけれど

やってみたい、と思うから


行けるところまで行ってみよう

願わくは友達ができますように

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