第41話 2025年8月、不幸なシルビア
月初プロフィール(8月): 不幸なシルビア
7月のある日、ガレージの薄暗がりの中でシルビア(バリエッタ)のブレーキランプが点いていた。
2001年8月から11月までの3ヶ月間しか乗っていない3000キロ走行車。
以来24年間雨にも濡らせず日光にも当てなかった箱入り(カバーかぶり)娘。
エンジンは毎月かけるがブレーキペダルなんて近年踏んでもいない。
ブレーキペダルの下にどんぐり傘のような形のプラスチック部品が落ちていた。
ブレーキスイッチのストッパーだ。
日産はストッパーの材質くらいケチらないで金属にすべきだ。
老人になると免疫不全が進行し予想もつかない病気に罹患する。
そんな時と同じ気持ちになった。
応急修理は容易だがくやしいのでストップランプの15Aヒューズを外した。
もともとこの娘は不幸だった。
2001年11月18日の獅子座流星雨を見るためシートを倒せる4人乗りオープンカーが欲しかった。
新車を家の近くの日産ディーラーで買おうとしたのが生産終了(7月)直後の2001年8月。
新規発注できず九州ディーラーの展示品を運んできたので値引きはなし。
青の4速ATをほしかったがグレーの5速MT。
アイドリングレベルが高かったので調整を当該ディーラーに頼んでヒューストンに学会出張。
1週間後に帰ると調整はできておらず走行距離が100㎞増えていた。
数キロも走っていない新車でのオープンドライブを楽しんだのだろう。
「ちょっと使わせてもらった。」って店長いけしゃあしゃあと弁明。
数年後にはその日産ディーラーはなくなった。
日産は不適切な材料を使い不適切な人間を雇っている。
車高が低いこの車に乗ると腰が痛くなったので流星雨を見た後は箱入り娘(非常用代車)にした。
代わりに目線が高くサイドドアから乗降できる戦車のようなスペースギア(中古ロイヤルエクシードロング)を買った。
屋根には5個の窓があって赤色室内灯を消してシートを倒せば夜空の一部が見えた。
*先ほどエンジンをかけた。快調5000rpm。(2025.8.1)
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