先にいけ

絶対絶命だった。先輩と俺は敵に囲まれ、後ろは崖だ。

「どうやら、ここまでだ……ごめんな。お前をこんな目に合わせちまうなんて、ダメな先輩だ」

「先輩……」

「お前は先にいけ」

先輩は俺を突き飛ばした。

先輩が守ってくれたことに感動した。


味方のヘリコプターが迎えに来るまでの間だけ。

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