#117 読むとは心の音読
いいかい? 小説を書くとき、いいや、小説だけでなくブログを書くとき、資料で文字を書くとき、もっと身近にするならSNSで文章を書くとき、心がけておくといいことにつながるかもしれない言葉があるんだよ。
それはね。
『読む』とは『心の音読』と言うことだよ。
そう、音読。君たちは小学生の頃音読をやったことがあるかい? 教科書に書かれている文章を声を出して読むことさ。先生が小学生の時は、音読の宿題があったんだよ。
ま、君達の想像通り、ちゃんとやった子なんて少数さ。かく言う私も嘘をついてやったことにしていた。
まあそれは置いといて。
先ほどの言葉。読むとは心の音読、と言うやつさ。君たちは普段、文字を目にした時、頭の中でそれを読んでいるはずさ。君たちは1日の何時間SNSに目を通す? その中で目に留まったSNSの文章。それを君たちは無意識のうちに音読しているのさ。頭の中でね。
先生もSNSをやっているよ。アカウントは絶対に教えないけど。
そして時々、文章がおかしいものを見ないかい?
『、』『。』がついていなくてただ文章が羅列指定いるから全く何を言っているかわからないし何を言いたいのかもわからない短文の感想のようなものならいいけどよりによってそう言うのに限って何かを伝えたい長文を書いているものが多く存在するそれってすごく読みにくいと思ったことはないかい?
さらには長文にするからこそ、時々日本語がおかしくなっている部分もある。
それを投稿者本人は気づかない。なぜか。文章を書くとき、頭の中で書きたい文章と伝えたい内容を同時に考える。そうしているうちに書きたい『内容』が先行して、文章がおかしくなってしまうんだ。
読み返すとしても、書きたい部分が書けているか、そこしか見ない。
逆に見る側はその文章を『読む』。読むことでおかしな点に気づくのさ。
そしてこの『読む』とは目で文章を追うが、頭の中で音読しているのだよ。声に出している時よりは感覚が違うから、あまり音読している感覚はない。
けれど、文字1文字1文字に目を通している。
例えば、この文章を見た時、君は頭の中で『例えば、この文章を見たとき』と無意識に音読している。
だから文章のおかしな点に気づける。
え? そんなことはない?
その場合は君がそもそも文章を『読んでいない』のだよ。
『見ている』だけ。文字を『見ている』だけだから、誤字などのピンポイントでわかりやすいおかしなことしか気づかない。
『見る』と『読む』は違う。
ならば、この文章を目で見るのと、頭の中で音読、両方やってみるといい。
読んでいる時、君達はこの文にある『あること』に気づくはずさ。
さて、見つけられたかどうかは、来週までの宿題だ。
しっかりやっておくように。
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