11話 集合したね
部屋に入ってきて、彼女はこう立て続けに言った。
「形式上言います。ウェズン・エンブランと言います。第3艦隊の参謀として配属されました。」
「シリウス・レナトゥス、先ほどから話を聞いていましたが貴方の目的が全く分かりません、結果を出すならお持ちの艦隊でクーデターでもなんでも起こせばいいのではないですか?なぜそのような婉曲的な表現をするのですか?貴方は一体何が目的なのか全くはっきりしていません、あえて本質を述べていないのか、私には到底理解できません。」
レナトゥスはこう言った。
「では説名させて頂こう。」
ディスケレは急いで考えをまとめ、こう言った。
「今までの会話は全て通信で暴露されていたのですか?そもそも、レナトゥスさん、私や彼女のことを知っていましたか?」
レナトゥスは謝罪し、説明を始めた。
「通信は問題ない、独自のシステムでこの部屋の映像を彼女の端末に送っていた。ただ、この会話が我々の意志と関係なく彼女に聞かれているのは想定していなかった。だが安心してほしい、この会話を彼女に聞かせたのはマギステルさんだ。私の不手際で申し訳ない。それは彼女に確認をとれば済むはずだろう。」
エンブランは言った。
「はい、それで間違いありません。」
レナトゥスは言った。
「では次の問題だ。お二方のことは全く知らない。なぜなら私は軍人でも軍関係者でもなく、ただの一般市民だから。」
参謀の2人がこう悲鳴をあげた。
「ちょっと待ってください、意味が分かりません。」
「何を言っているの?」
レナトゥスは冷静に言った。
「詳しく経緯を説明させてください。私はこの艦隊を1人で運用することを目的として艦隊構想を考えました。私がマギステルさんに頼んだのは私の監視人だ。監視人と言っても、何かを見張るのではなく、私のしていることを見届けてほしい、ただそれだけだ。だから、この艦隊の全責任は私が負います。」
2人は問い詰める。
「AIの責任能力を問う場合は1人ですが、1人でAIの提案を全て確認できますか?」
「そんなできもしないことを言っても無駄です。」
レナトゥスは淡々と言った。
「艦隊に関してというより、人間の認識の問題だと思っている。」
「できると思えば、人間はなんだってできる。」
「これが事実だ。このことを簡単に説明するのは難しいので、あとで話そう。絶対に理解することができると約束する。とりあえずは保留だ。」
「で、本題は、お二人の事についてだ。」
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