101 鹿の高鳴く闇夜です
◆2023年10月1日
今夜も月は隠れてます。
それをいいことに、鹿がボロロプレハブ周りを徘徊。
さっき鋭い高鳴りがしたので、繁殖期に入った雄でしょう。
縄張り主張にやっきとなりだしたのね。
ほらまたキイーッと悲鳴のような甲高い声を。できるだけ長く響かせて。
合間には、ほうほうと
遠いけど、山頂の方角からとはわかります。
鳴きやまないのは、そちこちで呼び交わしてる
声は、錆びっぽい小鐘を規則的に叩いてるような可憐さがある。
なので海月山に入植した当時は、小鳥のかしらと思い違いしてました。
この尻尾の先まで20cmほどの小鼠も、春と今の時期が繁殖期。
ボロロプレハブにも勝手に棲みついてるので、ただいまは一番の困り者かな。
飼いたくなるくらい愛らしんですけどねえ……。
鳴き声といえば、秋虫のすだきも九月から今だ絶えません。
プレハブには近頃、小うるさいコオロギはおじゃましなくなりましたが。
とうとう十月を迎えちまいました。
今日は一輪だけ
日中は残暑続きのようでも、確実に秋が混在している海月山──。
だけどね。月替わりしてちょっと気持ちを新たにしながらも、まだまだ晩夏との端境期にいたい気もしてますです。
さすがに山茶花の秋には早過ぎる。
彼岸花にもしばらくは咲いててほしいって、婆さん贅沢こいてる。
こうして日中は時分の花に目を奪われる海月山ですが、夜ともなると生き物らの営みに気をとられる海月山であります。
ほらほら、また鹿の奴、子供のヒステリーじみた声張り上げた。
…しかし、あんなで、本当に縄張り争いできるだけ強いのかしらん?
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