一望の風
この浪漫こそ成り行き任せ
掌中の珠に何を魅せるのか
いま氷雨が顔を覗いている
それを言葉に描くにはまだなにか足りない気がしていた
ときのとまった楽園が、侵蝕を忘れているのをさらう
小さく頷いた野花たちがそこかしこにいたようだった
まぼろしだろう
賑やかなものだと感嘆にも口にしてみたのだが
ちっとも心に響きやしないもので
パノラマを見下し、視点は海を望んでいた
不幸にも鳥はその眼下に映り込み
閉じ込められ、命を留めているだけだった
一面の銀世界のようにまばゆく、いっぱいに広がった星は
くらいうみのそこで、夢幻の霊峰に綾錦を広げては纏わせてくる
雪月花の香りが花を劈き、饐えた春の色を美観とし
素晴らしく視界が抜ける、その落下地点に深山幽谷がある
灯すれば わたしは 千里眼を持ち はるかに
めがしらはあつく とじられたまなこで
どれだけのゆめが かなうのか
だれひとりこたえもないけれど いつか
たずねてみようと、さえ 想う
2023年3月12日
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