第80話
「卒業おめでとう、ゆう」
教師が俺にお祝いの言葉を残す。
「ありがとうございます。」
正直感謝は無い。余りにも放置と学級崩壊させ過ぎた。
「ゆう、俺はお前のおかげで色んなことがあったぞ。」
「はぁ、」
「まず、めんどくさい事務仕事が異常なほど増え、大学や色んなところに謝罪の電話をした。ここまでの仕事をしたのは初めてだ。」
「そうなんですか。」
同情もしないな。
「そしてな、先生達からは散々に苦情を言われ、更には俺の恋人だったーー先生には別れを告げられ」
「あれっ先生既婚者じゃ」
俺は一体卒業式に何を聞かせているだろうか?
「それも、こないだ逃げられたよ。子ども揃ってな。」
「あの、すいません。そろそろ俺この後打ち上げするから」
いやもう強引にいくか。あと確実にこの人やばい。いや俺知っている今までの先生と感じが違う。
「いや待てよ、だからこんな先生だからお前に何も教えてやれなかったが、最後に教えてやることがある。」
「雪ー!!」
俺は普段からやばい人やたらと関わりが多いからだろうか、すぐに足が動いた。なんとか雪に刺さる前に俺にナイフが刺さってくれた。
「えっ、うそ、ゆうくん?」
「ゆう??」
「ゆーうくん??」
「ゆう、先輩?」
体が倒れていく、
「先輩!!先輩!」
うっ、今多分一瞬だけ気を失ってたな。どうやらその間に店長や近くの保護者さんが先生を止めてくれたようだ。
「先輩!嘘ですよね、先輩!」「私また、大切な人を」「やっとまた会えたのに、こんなのって、こんのってゆーうくん」
悪い雪、今度はガチのようだ。
「雪、ごめんな」
急に人生の終わりって来るんだな。いや、恨みを買いまくった自業自得が原因だな。
「待ってくださいよ、先輩!俺本当は小説書いてるんです、先輩をモデルにして、」
「知ってる。」
「勝手に読まないでくださいよ。」
「いい小説だった、これからも頑張って」
「何言ってるんですか!俺は人気になってこの小説のモデルがいるんですよって先輩のことを自慢したかったのに、」
「そうか、それはいいな。雪頼む最後のお願いだ。」
「最後って何ですか?そんなこと言わないでくださいよ」
「ストラップを、ストラップを見せてくれて」
「分かりましたよ!」
雪は震えた手でストラップを見せてくれた。
まなちゃん
「先輩、目を開けてください」
俺、幸せだったよ。
ただ出来れば、もう一度君に会いたか
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます