きめるぜっ
「な、何ですかさっきの動きはっ」
「ああ、凄い機動だ」
並のパイロットは耐えられない。
「あ、パイロットのマリアさんが気絶してますよ」
「シートに固定されてるな」
オニダワラとハカマダである。
「すげえ」
「なんだあの加速」
「あの巨体でバレルロールかっ」
「いや、それに反応したシルフィードもすごいっ」
会場の声だ。
「……まだ続けるんですよね」
オニダワラが小さく聞いた。
「……ああ、一流のパイロット同士の戦闘だ」
「決着がつくまで収まりはつかんだろう」
ハカマダが重々しく言う。
「勝負は一瞬で決まるぞ、目を離すなよ」
◆
全身にラッパのようなバーニアを咲かせた、
その正面には、波動砲をパージして、右のシールドブースターだけになったシルフィード改。
背中に二本、ロケットを縦に背負う。
「ふふ、さあどうしましょうカッ」
レイカだ。
正面に益荒男(ますらお)。
――機体の左下に波動砲のダメージ、ですヮッ
――
レーザーブレードを取り出した。
騎士のように機体の前に剣を構える。
「「いざ、勝負っ」」
お互い真っ正面から加速。
「こうですヮッ」
レイカが、シルフィード改を螺旋状に回転しながらに少し上へ。
背中のロケットを一本パージ。
本体を通り越して
「目くらましですヮッッ」
ロケットが
赤い炎を出しながら爆発した。
「くっ」
サカイのうめき声。
「決まりっ、ですヮッ」
胴体の半ばまで刃が入る(という画像処理がされた)。
大ダメージだ。
しかし、
「まだまだああ」
サカイが叫ぶ。
ガッ
シルフィード改の腕を
ズドオオン
右腕の
◆
「試合終了おおおお」
「試合終了ですよね! ハカマダさんっ」
オニダワラだ。
「いやあ、すごかったなあ」
「壮絶な相打ちで試合が終了したよっ」
ハカマダである。
「いやあ、すごいものを見たっ」
「こんな戦闘そうそう見れないよっ」
「なにせ、波動砲二発ブッパだからな」
「うんうん」
「感動しちゃった」
会場が盛大に盛り上がる。
「素晴らしい戦闘を終えた両者に、絶え間ない拍手をっ」
オニダワラが大声で言った。
オオオオオオ
パチパチパチパチ
しばらく、会場に歓声と拍手が絶えなかったのである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます