第13話

また 新たな1日が始まる シンディーは昨日の事を思い出しながら カールの下に向かった。


「カール様 おはようございます!」


「シンディー! おはよう 起きてるよ」


カールは6:00少し前に目覚めた 昨日の出来事に興奮して 眠れないって事もなく 熟睡をしていた。 今日から本当の意味で新しい日々が始まる。 急いで着替え シンディーと共に食堂に向かう 今日も食堂にはマリアが既に席に着いて居た。



「あにちゃ おはょ」



「マリア おはよう 今日も良い天気だね」


いつもと変わらぬ挨拶を交わしていると父と母達が食堂に入ってきた。 


「父上 母上 おはようございます。」


「おはよ」



「うむ カール マリア おはよう」



直ぐに紅茶とサラダ、パン、スクランブルエッグ等 いつもの朝食が始まる。


基本 朝は使用人たちも忙しいのでそんなに手の込んだ物は出されないのが初代から続くアーレンハイト家の仕来りである。



「アグネス! カールへの指導は今日から始めるのか?」


「いいえ 私にも準備が必要ですので 来週の初めからになります。」


来週からにしたのは、アグネスもマティルダもカールへの指導を楽しみにして居るのだが その前に 最近サボっていた自分への自主練をする為だった。


今週は午前中のシンディーからの授業が終われば自由時間と成る カールはその自由時間に昨夜試した転移魔法の訓練やその他の空間魔法を試したかった。



午前中は屋敷に有る歴史書をシンディーの横で静かに読み この世界の知識をため込む事に費やした。 昼食後 待望の時間である シンディーには部屋で静かに午前と同じように歴史書を読むと話し一人に成る。


「よし 昨夜の感覚は覚えている 大丈夫だ!」 素早く部屋着から昨日、母から貰った革鎧に着替え 腰にはショートソードを装着したカールは魔物の森へ転移魔法を発動した。 一瞬で昨日来た魔物の森へ。。。



素早く辺りを見回した後 魔力を周囲に張り巡らす! 検知魔法である まずは昨日と同じ ゴブリンが見つかった ゴブリンを素早く討伐した後 昨日は行わなかった 魔石を回収する



 実は昨日、ハワードが魔石を回収しようとして ゴブリンの胸に短剣を刺した時、母のアグネスが小さな悲鳴を上げていた。



 母はいつも遠隔地から魔法で相手を倒すため血に慣れていなかったのだ その為 今回はカールが魔物に慣れる為と云う言い訳で魔石回収はせず討伐だけを行ったのだった。



 但しマティルダ母様から実際には討伐した魔物からは魔石を回収する事、そして討伐証明部位を回収する事が一般的であり必要だと教わった また豚によく似たオーク等は食料として貴重な存在である事も一緒に教わり 成るべく回収をするようにと云われる。 



そして倒した魔物は必ず焼却しなさいと云われた。  理由はそのままだとアンデットになり彷徨うためだと教わった。 うん アンデットは気持ち悪い!



そんなわけで、カールは初めての魔石回収を行う ゴブリンの魔石は小さく小指の先ぐらいしかない 少し手間取ったが初めての魔石回収を終えて考える。



 この魔石回収は手でしなくてはならないのだろうか? 生きている内は魔石は魔物の身体の一部だが討伐後はただの魔石としてしか存在しない。



 それなら空間魔法を使い魔石だけを取り出せるのではないかと こうすればアグネス母さんも気持ち悪くないかも



基本、持ち帰らない物は土魔法で穴を開け、その中に全て入れた後に火魔法で焼却した 勿論、焼却後は水魔法で火は消してある。



よし、次の魔物から試してみよう 常時、発動しておくことにした検知魔法にゴブリンやオークとは違うゴブリン位の反応が有った。



 瞬歩で近づくと犬の頭のような魔物の集団だった 少し大きな魔物が群れのボスだろうか、周りには30匹位いる。



 100m位先だが 今日は成るべく剣技だけを使用するようにしている。 少し距離が有るがショートソードに意志の力を籠め、真横に振りぬくと剣圧で魔物の群れを殲滅する事が出来た。



 上手くいった。 次に右手の手のひらを上にし魔物の身体から魔石の位置を検知しその魔石を目掛け 空間魔法で回収をイメージする。 その瞬間に右手の手のひらに30個ほどの魔石が乗っていた 成功だ! これで自分で探さなくて良い!



その後 検知魔法の範囲を広げ、色々な魔物を討伐した。 勿論 オークは空間魔法のアイテムボックスに仕舞う



楽しさの余り時間の経つのを忘れる よし最後に少し大きな反応の物を倒してから帰ろうと検知魔法の範囲を広る やっと辺りに居る魔物とは明かに大きさの違う魔物の反応を見つける 瞬歩で近くまで行くとオークを両手に持ち食事中の魔物を見つけた。



 10m位の大きなトカゲ(なんとかドラゴンとか云うのかな?)を発見 多分 今までのように剣圧だけでは無理っぽい 大きなトカゲの背に向かい転移魔法を発動し背中の上からトカゲの首に向け剣を一閃すると首は静に地に転がった。



 早速 魔石の回収とトカゲをアイテムボックスにしまう



充実した午後のひと時を満喫したカールは屋敷の自分の部屋に。。。。


そこには カールが居ない事を心配した母のアグネスが居た!



時を遡る事 少し前 シンディーは一人で読書をしているカールの下へ紅茶とおやつを持っていった。


 部屋のドアをノックしても返事が無い、お昼寝にしては時間がズレて居る 部屋のドアを開けるたが 誰も居ない。


 初めはトイレかと思い 暫く待っていたが 帰って来ないので 兄のハワードの下へ その後 二人で屋敷中を探したがカールは見つからない


 二人は カールの母、アグネスへ報告したのが事の始まりだった。 アグネスが全使用人へカールの捜索を命じる前にカールの部屋に来て状況を把握しようとしていた時にカールが転移魔法で帰って来たのだった。  (カール 早くも秘密の一端が露見!)


嵐の静けさ。。。。 母の戸惑いとカールの前途に そして

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