2023.3.5


 場所は変われど急に健康になるはずもなく、相変わらず疲れて眠くて寝そべってウゴウゴしながら赤ちゃんみたいにギャーッて泣きたい。私のカンのムシがオギャっているのは、もしや満月が近いせいでしょうか。


 頭の中で人知れずオギャっているとき、いつも必ず「疲れちゃった。寝てくる」って乱藤四郎ちゃんの中傷手入れボイスが脳内に響く。

「うん。乱ちゃん、ごめんね」

 心の底からそう思うのに、私は今日も、オギャることをやめられないのだった。



 売られている小さき犬を見に行こうと歩いたら、思ったより疲れた。


 なんかもうキレ〜に山見えるし。何故だか腹が立つわ。あっわかった! 風が強いせいだ! 昔からこの一年中吹き止まない強風のせいで色々苦労したからな〜〜風の谷、ムカつく!!


 さみーんだかあちーんだか。天気良いな、くそ。

 山〜!! めっちゃ奥羽山脈!!

 いつだったか秦野行きの小田急線から見た山は全然こんなラインじゃなかったし、岡山の山は日本昔ばなしのおにぎりみたいにこんもりしていて、そびえてる感がなかった。


 などと言っても誰にも通じないワケ〜。


 つーか疲労困憊状態で「早く犬が見てえ!!」と心だけが逸っていても、一応山が見えたときは「山がありますなぁ」と認識したのに「あれっ、そういえばあのデカデカ観音見てない」と振り返ったらとっくに通り越していた。


 すごい!

 たとえ全長百メートルの巨大観音像が行手にそびえ立っていようと、人間興味がなければまっったく見えんもんなのだな〜〜!




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る