2023.2.8


 先日「椅子がキチい」でお馴染みのTDCで、身長百七十六センチ・日の本一の色男山鳥毛を見て以来、ケツの痛みも感じないほど心がフワフワしていたが、まだまだ正気に戻らない。


 それで今日も元気にうっとりしてたら思い出した。去年ネットニュースで見かけた長船町の山鳥毛音頭!

「音頭」付けるだけでこれほどまでのディープインパクトになるのズルくね? まあ別にズルくてもいいけど。


 ニュースの段階では、地元有志が作りますよって話だったけど、結局どんな振付けになったんだろー、と気になり、YouTubeで動画を探してみた。なんなら踊れるようになりたい。


 そしたら格好良いというか、すっごい素敵なのね! サビで抜刀しながら回転するのが演舞みたいで、優美な盆踊りだな~。


 でも歌のほうが気になった。「いっちもんじ~いっちもんじ~」ってずっと言ってて、そもそも曲名のサブタイが「~一文字~」になってる。

 私はマジマジのマジで歴史の知識も学芸的知識も何もないけど、もう長船ジモティーの間では「山鳥毛は絶対絶対福岡一文字の刀です!!」という認識で決着してんだな、というふうに見えた。

 なんなら「長船博物館にあるけど長船の刀じゃないですよ~!」て主張してるみたいにも感じる。


 これと同じなのか逆なのかはわからないが、ちょうどさっき見かけた人魚のミイラのニュースを思い出した。お祀りしてたけど作り物だとわかって、材料も特定したってやつ。でも神社はこれまで通りに御祈祷あげるんだって。


 一回そうと認識されて何百年もそのように取り扱って、いつか実は違うらしいと判ってもそれはそれ、別に構いやしないよ、という姿勢。

 日本人の大らかなとこだよね。人魚や神様だと思ってたものが実はそうでなくても、あんまり気にしない。もう心の中に信仰が生まれてしまったら、もはや目の前にあるミイラそのものよりも心のほうが大事なんだよな。

「いやそれ、ただ単に慣性の法則に流されてるだけじゃん」と言えばそれまでなんだけど。



 しかし盆踊りとはいえなかなか覚えらんねえ。

 いや、わかってたけど。私何百回も見てるはずのヒメヒメの振付けさえ、左右逆でしか踊れないし。初めてのバレエの発表会でも、ホームビデオ観たら私だけ左右逆で踊ってたし。先生~! 子ども相手でもそこはちゃんと教えてくれや~~私の将来を思うならちゃんと指導してくれや~~。


 山鳥毛音頭は私がマスターするにはちょっと難しいけど、でも自分の地元の盆踊りがこんなだったら鼻が高いだろうな。心の中の一文梨が左右反転で踊り出しますわ。


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