第8話 初めての子犬
小学生にして命の誕生を目の当たりにした日のことは今でも覚えている
夏休み、犬の出産を迎えるため私は母と共に祖父の家に泊まっていた
いつ陣痛が始まってもいいように病院へ行く時に必要なものを枕元に置き、
服装も起きてそのまま出ていけるような服で寝ていた
そして夜遅くに陣痛が始まった
ブルドッグは自力でのお産はかなりの難産のため、
一般的には帝王切開での出産となる
急いで車に愛犬を乗せ、母の運転で病院へ急いだ
向かっている最中に助手席に座っていた祖父が病院に連絡を入れ、
後部座席では息む愛犬と私が乗っていた
この時私の役割は愛犬の様子を見ながら、
変化があれば祖父と母に伝えるという中々重要な役割を任されていた
当時お世話になっていた動物病院は自宅からかなりの距離だったこともあり
到着までかなりの時間を要した
それでも何とか病院につき急いで手術となった
到着までに時間が掛かったことで、母体にも子供にも負担が掛かっていないか
私たちは心配でじっとしていられなかった
30分ほど経った頃
手術室から出てきた先生の手には小さな命たちが元気よく鳴いていた
「しっかり声が出るまでタオルで拭いてあげてね」
私の手と母の手に移されたその子たちはとても小さく、
わずかな力でも壊れてしまいそうな愛おしさを纏っていた
この日、我が家に元気なオスのブルドッグ2頭が誕生した
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