「ピッチカート」#言葉の添え木より


 硬くなった指をはらを触った

 皮膚があつい

 何回も擦れたという

 痛そうだが「そう」と言った

 彼の努力を「すごい」とは言えなかった

 「すごい」のは当たり前で

 「そう」と言ったのは彼の歴史について

 「演奏するよ」そう言われ

 手が離れていった

 「うん」と物足りなそうに言ったのを

 彼は気づいてくれただろうか

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る