2022年12月3■日

コール・キャット/Call-Cat

2022年12月3■日


 この記録に君が触れているということは、きっと2022年は過去のものとなっているのだろう。

 年越しを祝う蕎麦、除夜の鐘に、アイドルや演歌歌手──今ならホログラムなりなんなりで想像を超えるような誰かが歌ったりしただろうか?──とまぁ年末というものの定番を挙げれば枚挙にいとまがないが、わたしが実感として体感するのはせいぜいがそういったものになるだろうか。

 少なくとも、その後のおせちだったり初詣であったり、地域によって具材が変わるらしい雑煮だったりを味わうことがないだろうからね。

 そればかりは非常に名残惜しいが、まぁ、年の離れた親戚の子供達にお年玉をせがまれることもないことを考えると、案外悪くないのかもしれない。

 というのも、わたしは些かやり残したことが多すぎるのだ。2022年の年始には新年の抱負として色々な目標を掲げたはずなのだが、その半分も達成出来ていないし、なんならその後山のように積みあがってしまったやりたいことも残ってしまった。

 例えばそれは親へ顔を見せに行くだったり。なんだかんだで友人達と交わした「いつか」遊ぼうという約束だったり。SNSなんかでバズってたカフェにお茶をしに行くだったり。そうそう、発売日に買ったものの今もって触ってないゲームだってたくさんある。

 勿論担当を言いくるめて一向に進んでない原稿だってやり残したことの一つだよ? 勿論さ。ははっ……うん。勿論さ。

 とまぁ、本当に数えていけば両手じゃ足りないぐらいに今年はやり残したことがあるのでね、わたしはまだ2023年を迎えるわけにはいかないのさ。まぁ、だったら「長々と記録を残さずに遂行しろ」と思うかね?

 まぁ、もう少ししたら動くよ。とりあえずゲー……ムは没頭しすぎて他のことが億劫になりそうだからね、あれは最後に回しておこう。美味しいものは最後まで取っておこうってやつだね。

 で、ここまで付き合わせてしまったわけだけど、悪いね。ただ、やり残したことを消化する前にこれだけは伝えておこうと思うんだ。

 2023年にわたしは居ないかもしれないが、どうか忘れな─


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