第259話 からくり

僕のカラクリさんが逝ってしまった。

カラクリさんを抱え、意を決して外に出る。


何年ぶりかの屋外。

季節は、秋。金木犀の香りに背を押され、町へ向かう。


修理屋の前でカラクリさんの顔を見る。

役割を終えた穏やかな笑顔。

僕は、そのままきびすを返す。


これは、カラクリさんがくれた最後の愛だったんだね。


ー完ー


カラクリさんは、多分、AI搭載の会話ロボットか何かだったのだと思われます。

誰かの為に勇気を振り絞る経験は、きっと、カラクリさんの最後の贈り物^^


*****


明日のお題は『滅ぼす』デス^^

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