第76話 末期症状

私は、末期症状に違いない。


憧れのスターが私に話しかけている。

きっと、憧れが過ぎて、誰でも彼に見えてしまう病だ。


「僕の事覚えてないの?小学校の時、仲良くしてた山田だよ」

「山田君なら知ってる。ぽっちゃり系のお調子者だよね」


「成功したら迎えに来るって約束したろ?」

「え?本物?」


ー完ー


小学生の頃の約束を覚えている彼。

ある意味、怖い気もするけれど。

一途な奴であることは間違いない。


*****


明日のお題は『ど真ん中』デス^^


*****


追記


小学6年 彼のお引越し前日の二人の会話。


「俺、ビッグになるから」

「今でも、そこそこビッグじゃん?」

「いぁ、もっと大きくなるから」

「お相撲さんになるの?」

「いぁ、そっち方向じゃなく……。世界を目指すから」

「へ~。すごいね」

「そしたら迎えに来るから。待ってて」

「ん~。わかった」


きっとね。

彼女が何気なく言った一言(「山田君の明るさはワールドクラスで、いいね」みたいな?)が、彼に自信を持たせてくれたんじゃないかな?

んで、めっちゃ頑張ったんじゃないかな?

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