第35話 念仏

彼が小さな声で念仏を唱えている。


「何か見えるの?」

「別に……」と答える声が震えている。

「落ち着いて」

差し出したコーヒーを口に含んだ彼の顔が苦しそうに歪む。


「私には見えるわ。殺したはずの彼女が隣にいるんでしょ?」


徐々に硬直していく彼。

安心して。念仏の続きは私が唱えてあげる。


ー完ー


ちょっと復讐してみました^^;


*****


明日のお題は『置き去り』デス^^


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