第1話

気が付いたら知らないところにいた


「たくみ?とも?」


おかしい。

さっきまで神社にいたはずなのに、今は見渡す限り草原が広がっている。そして手にはおみくじではなく棍棒が握られている。


ガサッ


「‼︎」


(誰かいる!おかしなことが起こってるんだ、気をつけないと...)


ポヨンポヨン


スライム〔レベル17〕

スライム〔レベル19〕

スライム〔レベル12〕


⁇【チュートリアルクエスト:モンスターの襲撃から生き延びてください】

生存者 (79億84万9437/1億)

*クエストに失敗しても死ぬことはありません


「え?えっと生き延びる?..」


目の前にはスライムが3体。



ビュッ!


スライムが何か飛ばしてきた。

とっさに避けたのが功を奏したのか

さっきまでいた場所がドロドロに溶けて煙が出ていた。

酸か何かだろう


(立ち止まったら死ぬ!)


落ちている小石を投げて反撃しつつ、

連携しながら毎秒酸を飛ばして来るスライムから逃げ続けること2分


みんなは地獄のシャトルランを覚えているだろうかあれだ。


「やばい!体力が…!」


スライムが飛ばしてくる酸を避けながら

一か八か棍棒で攻撃してみる


ベチョ!


「お、いけた!って、棍棒がぁ!」


唯一の武器であった棍棒はドロドロに溶けてしまっていた。どうやら体の表面に酸を纏っているようだ。


スライムの数が減ったからか酸を吐くペースが落ち、逃げるのに多少余裕ができた。


「つってもいつまでも逃げ続けれる自信も体力もねえな…どうするか」


武器は無し体力も無し

(考えろ考えろっ!)


俺は来ていた服を脱いで小石を集め始めた

服の下部分を縛り小石を詰める…

即席武器の完成だ


発射の隙をついてスライムに近づき振りかぶる


ベチョ!


「よし!」

テッテレー♪【レベルアップ】


「レベルアップ?」


ビュッ!

突然の”レベルアップ”という声に気を取られてしまい3体目のスライムの攻撃に反応できなかった!


「グッアアァァ!」


腕に酸が掛かり、肘から先が無くなってしまった。

俺は痛みと恐怖で動けなくなっていた。

それでも追撃をやめないスライム


酸は左足を溶かし残った腕も溶かされ、最後は顔面に酸が飛んできた。

必死で避けようとするが身動きが取れず反射的に目をつぶった。


その瞬間


⁇【チュートリアルを終了します。】

生存者(9999万8350/1億)


「生き...てる...?」


タイム25分48秒

戦績からスコアを算出します...

ボーナス

撃破ボーナス


累計スコア812


【各個体の潜在能力から職業を選択します】


また意識がブラックアウトした

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