水槽の脳
瑛
「悲しみのイレーヌ」
まじで、妊婦にはオススメしない。
これを読んだ時、私は妊娠後期に差し掛かり、仕事はしていたものの、切迫早産の危険があって休職していた時だった。
暇(と言えば聞こえが悪いが)、なにしろ切迫早産。軽い運動もなるべく控えてね、とお医者さんに言われていたし、一生終わらないんじゃないかと思うほど産まれる瞬間まで悪阻が続いたタイプの妊婦だったので、とにかく一日中家でゴロゴロしていた。
子どもが産まれたらゆっくり本を読む時間も取れないだろうな。ふと思い立って、知り合いに片っ端からオススメの小説を聞き回った。
そんな中で読んだ一冊が、この『悲しみのイレーヌ』だった訳なんですが……
ほんっと、ただ一言。妊婦は読むべきじゃない。
いや、実は妊娠したことを本当に親しい人にしか伝えていなかったので、こんなもん妊婦に薦めてくんなよとは言えなかったし、普通にしばらく重い気持ちを引きずった。
でも小説のギミックとしてはまじで面白かったから、また読み直してみたいとは思う。
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