嫁 ヨシエ (オリジナル地元言葉 バージョン)

森田 仁九郎 (もりた じんくろう)

序章

ご挨拶に代えて

 ×月×日:高1の長男テツオが学校放送で生徒指導部から呼び出される。通学自転車の施錠率が悪すぎるとのこと。 さらにその三日後、朝のホームルーム時に今度は先生が教室を訪ねて「今日も自転車に鍵かかっとらん! お前、生徒指導部ナメとるがかぁ!」 

 まだまだ試練は続きそう・・・。



 ×月△日:嫁ヨシエと大喧嘩。発端は洗った包丁についた水のふき取り方。 

 ×月○日は結婚記念日。ケーキでも買って降伏するか・・・?



 △月○日:テツオが家でヘアピンを付けるようになった。

 チャラ男一直線・・・トホホ



 中2の次男カズヤは反抗期真っ盛り。六月頃からまともな会話がない。

 「うん」「嫌!」「別にぃ」、あとは必要に迫られた伝達だけ。

 嫁ヨシエ、キレまくり。


                                 2010年7月


※すでに先行している 

嫁ヨシエ(インチキ標準語バージョン)

はこちら⇩

https://kakuyomu.jp/works/16817139554663387167



 モリタの秋はマラソンと闇鍋。

 マラソンは○月×日、長野県大町で10km※1       の大会に出場。1ヶ月前から「ランニングメソッド※2        」を読みトレーニングするも本番はコースの起伏にペース配分が合わず最後の1キロで失速(泣’)。でも、開放的なコース、親切な大会運営は◎。ゴールでは中学生と思われるボランティアからバスタオルのサービスがあり、蕎麦やリンゴの振る舞いも。来年も出陣!?  



 闇鍋は○月×日。地元地区12軒の恒例行事になり、今年で9回目。調理はまさか?のモリタ。今年のメニューはチゲ鍋、牛スジ煮込み、湯豆腐、生牡蠣酢、アオリイカの造り。星空の下で焚き火、簡易テーブルにはランタンの明かり。熱い酒、熱い話が進み毎年大いに盛り上がる、が、奥方連からは「わざわざ寒いところでバカみたい!」と冷ややかな視線。こんなことを続けている私たちは、はい、『M』です。


                                2010年11月


※1 大町アルプスマラソン大会

北アルプスの麓が舞台。「日本の屋根を走ろう!」をテーマに1983年に始まる。日本陸上競技連盟公認コースを走るフルマラソンの他、ハーフ、10km、3㎞ 等、種目が豊富。

この日、レースが終わり、ふるまいの蕎麦をいただき、すぐ近くの日帰り温泉で汗を流す。露天風呂から外を眺めると、フルマラソンの選手がまだ一生懸命走っておられる。『まだ走ってる。信じられない』と別世界の人種のように見えたのを今でもはっきり覚えている。


※2 『ランニングメソッド』 

金哲彦著  高橋書店

トレーニング方法はもちろん、フォームの矯正やストレッチのアドバイスなど、マラソン初心者にお薦めの一冊。

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