「《猫の寝床》の書」より、《犬の町》について
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マグベルン・セナリトゥリアによる序文
【書への呼びかけ】
《事実》ヘメリヤよ、
《記憶》オリーデルよ、
《言葉》グロサーラよ、
我が見、聴き、味わった過去を、
出来事がそうであったように、また我が経験したように、
記し、語り、伝えさせたまえ。
'Hemerya,
Orídel,
Glosára,
Khartz eói el'emeró, el'išmó ói'h el'glosó 'Hérkér,
K' aynóch', naskóch' ói'h jaflóch'
Rhaz fortzoch' kói ói'h dj'uróch'f.
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《犬の町》とは『
学問都市アリトゥリの
イシュミーアはグロサーラの祝福を受けた《神の気まぐれ》(※神の祝福が大きすぎたために器である身体が耐えられずに
この巻物はスーラ暦一八五二年に盗み出され、ほとんどが失われてしまった。残された断片はアリトゥリの
本書はスーラ暦二〇〇四年に書かれた、サーミビア・セナズレテアによる旅行記のうち、《犬の町》に関する部分の抜粋である。
彼の故郷ロルグニは
彼はとある任務での負傷が原因で退役し、相棒と共にアリトゥリにやって来て学者を志した。
彼は発話に小さな問題を持っていたので、軍人時代は
彼の論文や書き損じには相棒の足跡が残っているものが多い。これは羊皮紙が丸まらないようにわざと前足を置かせたという話もある。
彼は早い時期からイシュミーアについて研究を始めた。発話に躓きがあるために、彼は
彼は禁断の地である《犬の町》へ赴いた。その調査書は相棒に託され、二〇〇四年の
本書の重要な点は、彼が《
オシュテㇴニークは別の探索に旅立った後に消息を断ち、依然として宝の行方は分からないままである。しかし、彼からの報告書は興味深いものであるため、友人たる私が編纂するに至った。
スーラ歴二〇一三年
●暦について
全国共通の暦として《スーラ暦》が作られたが、地域ごとに固有の暦がある。
スーラ暦は一年を十二の節に区切り、節は更に四つの週に分かれ、日付は月の宿(の支配星)で呼ぶ。
例:
●月の宿
※数字:月齢(?)、星の名前、《》:含まれる星座
1 親指 《ヴァグネーの籠手座》★新月
2 中指 《ヴァグネーの籠手座》
3 ベルト 《ヴァグネーの籠手座》
4 炎 《眠る竜座》
5 鉤爪 《眠る竜座》
6 ひび割れ 《ドㇽマの像座》
7 涙 《ドㇽマの像座》
8 角の先 《ダヤツィムの杯座》
9 宝石 《ダヤツィムの杯座》
10 外れた蓋 《ダヤツィムの杯座》
11 予期せぬ幸運 《セトルの賽子座》
12 約束された不運 《セトルの賽子座》
13 尻尾 《鯨座》
14 潮 《鯨座》
15 ネヘムの手 《オルファの盾座》★満月
16 凹み 《オルファの盾座》
17 迸る水 《オルファの盾座》
18 耳(甕の持ち手) 《毀れ甕座》
19 穴 《毀れ甕座》
20 第一の足跡 《リンネの足跡座》
21 第二の足跡 《リンネの足跡座》
22 弓 《サーミビアの弓座》
23 弾かれた風 《サーミビアの弓座》
24 弦 《サーミビアの弓座》
25 矢尻 《射られた獣座》
26 暗い眼 《射られた獣座》
27 リュートの頭 《スーラのリュート座》
28 リュートの肋骨 《スーラのリュート座》
●冒頭のローマ字表記
Emelói uroch'f Keh'ra hérk Išmir dj'urkhetóch'v ó artúr dj'tilšóch'f húi emeroch'f «Dj'émerim Nišmír». Natzaleyo séa Arituria netzärír šimerü kói «eMelói», ev «eVelói» urof vwigariir húr Glosärér Kúrzík. Tešga urof vateer ki turelch'f sen «Keh'ra díth Emelói» . Keh'ra urof kon Fetkér séa Ezisik rhaz Emel, alno Natuserái Glosärér en'itiir kon Kerümói dj'tenoch'f, hérk autúr dj'temonüch' Glosärerio, Nášako, Soh'ärerio, Kazo ó Kázanerimeo.
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