第251話 クリスマスケーキ③

 俺と結美は一緒にチョコケーキを楽しむ。


 暖かい紅茶を飲みながらゆっくりとケーキを頬張った。


「うん! ここのケーキ美味しいって聞いてたけど本当だね!」


「まあ、美味いな」


 ケーキ屋さんのケーキだから美味いのは分かるが、結美の舌がだいぶ庶民的なのは気のせいではないだろう。


 俺と一緒にいる期間が長いせいか、もっと美味しい物を食べる機会がたくさんあると言うのに庶民的な食べ物を選択する事が多い。


 勿論、たまにはフォアグラとかキャビアとかの高級食材を食べる所もたまに見るのだが、基本的にはご飯に唐揚げなどのおかずの入った弁当などを食している。


 きっと俺と一緒にいて俺が劣等感を抱かないようにしてくれているのだと思う。


 キャビアやフォアグラが入っている時だって、俺に分けてくれてたしな。


 まあ、そう言う高級食材って庶民の俺の口には合わないんだけどね...。


 何度か食べさせて貰ったがなんて言うのアレ...珍味? みたいな味がして正直微妙だった。


 むしろいつも食べているような唐揚げだとかの方が俺は貰ってうれしいのだと気がついた時くらいからか? 俺にたま〜に弁当やらを作って俺に食べさせてくるようになったのは。


 結美の作る料理は正直普通なんだよな...。


 上手くも不味くもなく下手くそでも綺麗でもないザッ普通。


 しかしまあ、あれだけの特技を持ちながら料理もそこそここなせるというのは凄い事だろう。


 勉強もスポーツもできて料理もそこそこできる女子など今の時代そうはいない。


 俺は楽しそうにケーキを頬張る彼女の笑顔を眺めながらそう思うのだった。

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