第228話 公開処刑②

 俺の情報提供により伊藤の奴はこの惨状の責任を取らされる事になり、奴の個人資産を全て没収となったのだが当然それでも足りない。


「おいどうすんだよ! この落とし前はどうつけんだ!!!」


 怒りの声をあらわにする男達に伊藤はボコボコにされている。


 勿論殴ったら直ぐに回復させるがな。


 デバフにより殆ど抵抗できない伊藤に恨みを持つ者たちが率先して殴りかかっている。


「グフっ! ガハッ!」


 何度こいつが血反吐を吐こうが止める気は全く起きない。


 むしろもっとやってほしいくらいだ。


 ボコボコにされても謝る素振りすら見せないこいつの根性は本当に腐っている。


「そろそろ皆に謝ったらどうだ?」


 俺の言葉に奴は唾を吐いた。


「はっ! 俺がこいつらに謝る? なぜだ?」


「...こいつらは皆お前が騙してきた奴らだよ」


「あっ?」


 今目の前で嬉々として伊藤を殴っているのは今まで伊藤に好き放題されてきた奴らである。


 話を聞いて深い恨みを持つ者達を集めて伊藤を殴らせているのだ。


 勿論お金を貰ってな。


 伊藤を殴れるのならと100万円くらい払ってくれるのでどれだけ恨みがあったんだこいつは...。


 ちなみにこのお金は全て町の復興資金に充てるつもりだ。


 なので正直ただで良いと言ったんだが、こいつらが伊藤を殴れるのならこのくらい払うと口を揃えて言ったのである。


 何度も何度もボコボコにされたのちにだんだんとうるさくなってきたが、すぐさま回復させて元気にさせてあげる。


「ぐっ...!」


「そんな簡単に気絶させて貰えると思うなよ? 伊藤!!!」


 俺は1発こいつの顔面を殴りつけて気持ちよくなっているのだった。


『EXスキル【愉悦の弱体術師】を習得しました。魔法【笑い付与】を会得しました』

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