第58話 こっちの世界の基本
俺たちは一度家に戻ることにしたのだが...。
「お〜い! ミルティ降りてこい! 勝手に人様の家の屋根に登るな!」
と俺が注意しても彼女は好奇心のままに探索を続けていた。
「すげぇ! これが外の世界! 和希達人間の世界か! 想像してたよりも100倍発展してる!!!」
目を輝かせながらそう叫ぶ姉に対してケロナはすごく大人しい。
真菜に手を繋いでもらいながらゆっくり歩き続けている様子を遠目から見ると、まさしく姉妹のようにすら思えてしまう。
「ケロナちゃん。疲れたらいつでも言ってね」
「...はい。ありがとうございます」
そんなケロナに上から手を振るミルティ。
「お〜い! ケロナ〜! あっちに高い建物があるぞ! あそこまで競走しようぜ!」
少し近所迷惑になると思った俺は一度ミルティをカードに戻した。
「あっ!? 何するんだよ〜和希!!!」
「少しうるさいからな。家に帰ったら戻してやるから今は我慢しろ」
「ちぇっ!」
まるでガキのような態度を取り続けるミルティは扱いに困るな...。
これはこっちの世界の基本を早めに教えてやらないとなと思う俺なのだった。
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