第38話
イルワロは小屋の外で伝書バードから受け取った手紙を見て舌打ちした。
「ちっ。このままだとギリギリだな……」
手紙の内容はイルワロの依頼したものが少し遅れるという内容だった。
その間に起こる問題はそちらで解決しろとも書いてある。
しかし幸いなことに時間的な余裕はできた。
昨日クレイ達はリンカーには戻らず、コリコ村に留まった。
それをイルワロは双眼鏡で確認済みである。
ギルド本部からの応援は早くても明日の昼過ぎとなり、今夜には来ると書かれている応援は充分間に合う。
イルワロは吸っていた煙草を踏みつけ、手紙をポケットに無理矢理入れると小屋へと戻った。
小屋にはテーブルと椅子など最低限の生活必需品しかないが、短い間ならここで暮らせるようになっている。
そして村人は知らない秘密の地下室も設けられていた。
イルワロは床の一部を引き上げ、地下に降りて行き、歪んだ笑みを浮かべた。
「何度見てもいい光景だな」
そこには仲間が捕まえてきた亜人の娘達がほとんど裸のような姿で捕らえられていた。
手錠と足枷が付けられており、自由に動くことはできない。
娘の中の一人、ポニーテールにブタの耳をしたナタリーがイルワロを睨んだ。
「イルワロ! わたし達を解放しろ! でなければわたしの仲間がお前を殺す!」
イルワロは笑いをかみ殺す。
「まだまだ元気だな。亜人騎士団だかなんだか知らねえが、誰であろうとここは見つけられねえよ。見つけたとしてもゴーレムに潰されるのがオチだ」
イルワロはナタリーに近づくと首輪に繋がれた鎖を引っ張った。
ナタリーの大きな乳房がぶるんと揺れる。
「それよりもお前らを移動させることになった。今夜には迎えが来るからそれまでに最後の味見とさせてもらうぜ」
イルワロはナタリーの胸を鷲掴みにした。
ナタリーは顔を赤らめながらイルワロを睨む。
「くっ。下衆めっ!」
「安心しろ。約束通りお前以外の女には手を出さない。大事な商品だからな」
イルワロはナタリーに後ろを向かせ、大きなお尻を強く叩いた。
ナタリーは顔をしかめるが、息を荒くさせ、太ももに水滴がつたわる。
「ううっ……」
イルワロは面白がりながらズボンのチャックを降ろした。
「お前は亜人の仲間を守るためにオレの仲間に媚薬付けにされたそうだな。処女の方が高く売れるが、これはこれで買い手が付くだろうな」
イルワロは歪んだ笑みを浮かべた。
欲に溺れたイルワロは娘達が一人減っていることを気付かなかった。
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