高校内で広報部の仕事に協力するアルバイトの募集があり、応募してマーケティングの知識がある俺が活躍してしまうのだが

白金豪

第1話 気軽な気持ちでアルバイトへ応募


 大藪誠二(おおやぶ せいじ)は私立学城(がくじょう)高校に通う2年生だ。


 学城高校は私立であるが、進学校であり、偏差値も県内では比較的に高い方だ。私立高校であるため、公立高校とは受験の形式は異なるが、偏差値は58である。


 誠二はたまたま職員室前を歩いていたら、チラシを発見した。そのチラシは職員室の戸に張り付けれていた。


 広報の仕事に協力してくれる生徒募集中!アルバイトなので時給もでます!!


 そのように書かれていた。キャラクターなど一切描かれていない上、色も全く塗られていない寂しいチラシだった。ちなみに、時給は900円と記載されている。


「へ~。学校内でアルバイト募集しているんだ」


 誠二はチラシに惹かれる。彼の目がチラシ一点に注がれる。


(学校内でアルバイトができるのは大きいよな。日々過ごしている場所だから、色々とわからないところはないし。それに、丁度、お金も欲しかったところなんだよ)


 誠二は毎月、親からお小遣いをもらってはいる。しかし、誠二はラノベや漫画、ビジネス書などの書籍を購入して嗜好があるため、お小遣いではお金が足りないのが現状だった。そのため、このような学校内でアルバイトができる情報を入手できたのは幸運だった。


(最悪、コンビニや書店といった良く知らない世界でアルバイトをしようと考えてたけど、学校内で働けるんだったら、そっちを選択するしかないな!)


 誠二は胸中で素早く意志決定を完了させると、職員室の戸をノックして入室した。


 それから、流れるように担任の男子教師にバイトに参加する旨を伝えた。


 担任は即座に誠二の応募を受け入れた。


「このアルバイトの募集は今日までが締め切りなんだ。それで、明日の放課後からアルバイトが始まるから、1階の会議室2に向かってくれ!会議室1じゃないからな!」


 誠二は適当に返事をすると、妙に緊張感を抱く職員室を後にした。


「よし!アルバイトにもしっかり応募できたし、帰るかな」


 誠二はご機嫌な口調で近くの階段を降り、昇降口に向かうのだった。

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