灰になる最後まで


じりじりじり……

ゆっくりと、でも確実に減っていくお線香。


じりじりじり……

じりじりじり……


どんどんどんどん減ってって、


最後は白い灰になる。


一本すべてが灰になれば、

きっとお線香としては全うできていて。


もしかしたら途中で折れるかもしれない。

もしかしたら途中で折られるかもしれない。


何ごともなければ最後まで心配する必要はないのに、どうしても不安になってしまう。


危うい危うい、一本線。


燃えて燃えて、灰になる。


それは決まってることなのに、

どうしても、どうしても、不安になる。


じりじりじり……

じりじりじり……


ゆっくりと、でも確実に減っていくお線香。

じりじりじり……




どうか、最後まで。



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