【短編小説】太陽系惑星会議 ~人間の未来~

Yusuke Eigo

1章:太陽系の危機

/ 太陽系内 惑星神殿 /


太陽之神「皆よく集まってくれた。それではこれより、太陽系惑星会議を始める」


水星之神「みな、久しぶりだな」


金星之神「久しいな」


木星之神「最近はどうだ?」


土星之神「特に変わりはない」


天王星之神「我が星も特に変わりは無い」


太陽之神「それは結構。さて、各惑星毎に特に問題が無ければ、このまま本会議は閉廷しようと思うが」


地球之神「いや、待って欲しい」


太陽之神「地球之神?どうした?」


地球之神「実は今、我が星は大変困っている」


太陽之神「というと?」


地球之神「前回の本会議から1000年、人間という生き物が我が星の地表で自由勝手に暴れておる」


太陽之神「人間・・・あぁ、確か・・・知能が高くて二足歩行する、好戦的な種だったか」


地球之神「そうだ。あれはさらに進化しおった」


太陽之神「ほう」


地球之神「以前よりも星の資源を消費し、二酸化炭素を撒き散らし、海洋資源を乱獲し、星の生態系に多大な影響を及ぼしている。まさにやりたい放題だ」


太陽之神「なるほど」


地球之神「しかも、問題は今後だ」


火星之神「今後?」


地球之神「少し前、人間は我が星の衛星である月へも到達を果たした。今後も人間は太陽系内の宇宙空間へ積極的な進出を目指すだろう。それは、貴殿らの各惑星も含まれる。宇宙空間への進出に伴い、今後は種としての数が加速度的に増えていくと予想している」


太陽之神「そうなると・・・いずれは太陽系全体の問題になるな」


地球之神「まさにその通りだ」


火星之神「それは由々しき事態だ」


地球之神「一刻も早く、対処する必要があると考える」


水星之神「対処というが、具体的には?」


地球之神「あくまで一案だが・・・地表へ隕石を落とす案を考えている」


水星之神「なんと」


金星之神「隕石と簡単に言うが、どこから質量のある物体を調達するのだ?」


地球之神「土星の衛星を活用する」


太陽之神「・・・なるほど、地表の生き物にとってはひとたまりもないだろうな。我は極論過ぎると考えるが、他の皆はどう思う?」


木星之神「我はやり過ぎだと考える。人間だけではなく、貴星の他の多くの種にも影響を与えるではないか」


地球之神「木星之神、そなたは困っておらぬからそんなことを言えるのだ。他人事にしか聞こえん」


土星之神「言葉が過ぎるぞ、地球之神」


地球之神「・・・」


火星之神「手段はともかく、我も地球之神と同様に対処が必要だと考える。我が星は地球の隣に位置している。次に侵略されるのは我が星の可能性が高いからな」


金星之神「我も同意見だ。我が星も地球の隣だからな。今のうちに対処したい」


太陽之神「なるほど、火星之神、金星之神の危機感も理解はできる」

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